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「Remember Girl’s Power !! 2024」Day3:アイドルやアーティストと一緒にがん=ネガティブなイメージと真正面から向き合う唯一無二のライブ! 9年目を迎えて総出演者も膨大な数に

[公開日] 2024.10.24[最終更新日] 2024.12.03

寄稿(文・写真)乃木 章

日本人の生涯で、2人に1人がかかる身近な病気であるがん。その中でも、国が検診を勧める肺がん、胃がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんなどは治療法が進歩し、早期発見すれば治る可能性が高くなっています。しかし、小児がんやAYA世代(15歳から39歳)のがんに対しては、有効な予防や検診方法がなく、これらのがんについては有効な治療法や治療薬の開発、臨床試験が重要視されています。 啓発対象である若い世代は、がんに対してネガティブなイメージを抱いているため、がん体験者を直視することはもちろん、がんを話題にすることを避けがちです。実際のがん患者は、治験一つとっても情報の不足から最適な治療を選ぶことや、同じ悩みを抱える患者同士で悩みを共有することが難しい状況です。そこで、がん情報サイト「オンコロ」が2016年から開催しているのが、女性シンガーやアニソン歌手、アイドルを通じたがん啓発イベントです。 毎回、ステージでパフォーマンスを行うアーティストの独自の発信力を活かした「トーク&ライブ」では、がんとは無縁のように見られる10代から20代のアイドルとがん体験者によるトークセッションが大きな反響を呼んでいます。がん患者にとっても、同じ悩みを抱えて乗り越えた人たちの体験が支えになる部分が大きいのではないでしょうか。 2024年も通算9回目となる、小児がん・AYA世代(15歳~39歳)のがん、臨床試験(治験)の啓発を目的とする女性アーティストによる日本最大級のチャリティーライブ「Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ) 2024」が、東京・池袋で開催されました。 同イベントは豊島区との共催で、株式会社サンシャインシティの協力を得て、9月2日と3日は池袋西口公園野外劇場グローバルリングシアター、9月21日と22日はサンシャインシティ噴水広場にて開催されました。総合司会は、がんサバイバーでフリーアナウンサーの笠井信輔さんが務めました。
Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ) 2024実行委員(がん体験者):鳥井 大吾氏
Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ)総合司会:笠井 信輔さん(がん体験者)
寄付付きの優先席はあるものの、いずれの会場もパブリックスペースで、リアルタイムで動画配信もされ、広く一般の方への啓発を目的としていました。

■Day3:9月21日はサンシャインシティ噴水広場で開催

進行アシスタントは、女性アイドルグループ「夢みるアドレセンス」の元リーダーでタレントの荻野可鈴さんが務め、アイドルグループ「かすみ草とステラ」と「Peel the Apple」、ソロアーティストのSAKIさん、荒井麻珠さん、スペシャルゲストとして乳がんの体験者である歌手の麻倉未稀さんが出演してパフォーマンスを披露しました。
進行アシスタント:荻野 可鈴さん

■SAKI

トップバッターを務めたのは、ガールズメタルバンド「Mary’s Blood」、「NEMOPHILA」や「AMAHIRU」での活動で知られ、国内外にて人気を誇る女性ギタリストのSAKIさん。ヘヴィメタル雑誌『BURRN!』における人気投票では女性1位を獲得し続け、2024年春まで在籍していた「NEMOPHILA」では武道館公演も行い、国内外のフェスティバルにも出演しています。2023年からは「L’Arc~en~Ciel」のtetsuya率いる「Like~an~Angel」にも参加するなどハードロック/ヘヴィメタル界に留まらない活動を見せています。 当日は、「GERMINANS」、「Medley」、「THE EMPRESS」、「BRIGHTNESS」の4曲を披露してくれました。

■かすみ草とステラ

学校生活を活動コンセプトに、どこか儚く甘酸っぱい青春を届ける11人組青春系アイドルユニット「かすみ草とステラ」。2021年6月に1期生6名で発足、その後2023年4月に2期生5名が加入しました。どんな花とも相性が良く、花同士をふんわり優しく包んでくれる「かすみ草」何かが欠けても成り立たない「星座 -ステラ-」ファンと共に一つになって大きな夢を描いていく物語を育みます。 当日は、「正夢の少女」、「アリス」、「青より青く」、「Over」の4曲を披露してくれました。キラキラと可愛いステージ、そしてみんなの力強い歌声に観客も釘付けでした。

■Peel the Apple

26時のマスカレイド新メンバーオーディションから誕生。数千人ものオーディション参加者からファイナリストのメンバーで立ち上げるアイドルグループ。オーディション落選直後に新プロジェクトを立ち上げることを知らされた彼女たちは、30分以内にプロジェクトへの参加可否の決断を強いられながらも、悔しさをバネにプロジェクトへの参加を表明しました。2023年に新メンバー2名を加え9名で活躍中。失うものは何一つない彼女たちが巻き起こす『林檎旋風』を見逃せません。 当日は、「VIVA夏サンシャイン」、「めっちゃちっちゃらぶ」、「灼熱Glitter」、「Va!Vamos!」、「さんきゅー!」の5曲を披露してくれました。夏らしいさわやかなステージで可愛かったです。

■荒井 麻珠

2017年にLittle Glee Monsterを卒業後、2021年10月にソロシンガーとしてメジャーデビュー。現在まで、2枚のフルアルバムと1枚のシングルをパッケージリリース。そして2024年4月から7作連続で配信リリース中。全ての楽曲に「感謝」と「生きてるだけで私たちは頑張っているんだよ」というメッセージが込められています。 当日は、「革命大恋愛」、「永劫回帰」、「Listen」、「I like me」、「Higher」の5曲を披露してくれました。昨年に引き続き、今年も素敵な歌声で会場を盛り上げてくれました。

■スペシャルゲスト:麻倉 未稀

1981年、都会派美人シンガーのムーブメントより彗星のごとくCMソング「ミスティ・トワイライト」でデビュー。80年代の大ヒットテレビドラマ「スクール・ウォーズ」「スチュワーデス物語」の主題歌「HERO」「What a feeling~FLASH DANCE」はいまだに強烈な印象を残しました。舞台ではミュージカル「アニー」などに出演したり、旅番組ではレポーターとしても活躍していました。しかし、2017年4月、TBS「名医のTHE太鼓判!」にて乳がんが発覚。全摘手術を受けるも奇跡的な回復にて、術後3週間でステージに復帰し、その後も精力的に音楽活動を続けています。 2018年には地元の藤沢にて「ピンクリボンふじさわ」を立ち上げて、乳がん検診の啓発運動も積極的に活動しています。2022年7月27日、デビュー40周年記念アルバムの「人生はドラマ~これからも続く私のヒーロー物語~」をリリースしました。 当日は、「ホワット・ア・フィーリング ~フラッシュダンス」、「ヒーロー」の2曲を披露してくれました。麻倉さんのパワフルな歌声に会場は大盛り上がりでした

■啓発セッション「臨床試験」肺がんサバイバー:長谷川 一男

啓発セッションでは、肺がんのステージ4と診断された、長谷川 一男さんが15年にわたるがんとの闘いの日々を話してくれました。臨床試験によって新しい治療薬を試せる機会は大変貴重ですが、そもそも病院の医者であっても、どこで治験が受けられるかを知らないことが多いです。患者が情報を得られないことが一番の問題であります。

■共催セッション「WJOG」WJOG:山本 信之

チャリティーライブを共催として支える企業や団体を紹介する共催セッションでは、がん患者を対象とした臨床試験を通して、よりよいがん診療の実現を目指す「認定非営利活動法人 西日本がん研究機構」理事長の山本 信之先生が登壇しました。同団体は、がんに対する多施設共同臨床研究を実施および支援、国内外の研究状況についての情報を収集、さらに臨床試験の必要性と重要性を広く社会に周知することを目的に活動しています。

■サバイバーセッション:古村 比呂

サバイバーセッションでは女優の古村 比呂さんが登壇。2012年1月に受けた検診で子宮頸がんが発見されて以来、今日に至るまでの闘病について話してくれました。前向きに力強く生きる姿勢に感銘を受けました。

■閉会式

近畿大学病院がんセンター長 中川 和彦先生
恒例となる中川 和彦先生(近畿大学病院がんセンター長)からの感謝状手渡し、実行委員長の柳澤 昭浩さんの挨拶で締めくくられました。
実行委員長の柳澤 昭浩さんの挨拶で締めくくられた
閉会式が終わると、アーティストの方々が登壇して、寄付を呼びかける募金活動が実施され、大勢の方が寄付をしてくれました。
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