寄稿(文・写真)乃木 章
日本人の生涯で、2人に1人がかかる身近な病気であるがん。その中でも、国が検診を勧める肺がん、胃がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんなどは治療法が進歩し、早期発見すれば治る可能性が高くなっています。しかし、小児がんやAYA世代(15歳から39歳)のがんに対しては、有効な予防や検診方法がなく、これらのがんについては有効な治療法や治療薬の開発、臨床試験が重要視されています。 啓発対象である若い世代は、がんに対してネガティブなイメージを抱いているため、がん体験者を直視することはもちろん、がんを話題にすることを避けがちです。実際のがん患者は、治験一つとっても情報の不足から最適な治療を選ぶことや、同じ悩みを抱える患者同士で悩みを共有することが難しい状況です。そこで、がん情報サイト「オンコロ」が2016年から開催しているのが、女性シンガーやアニソン歌手、アイドルを通じたがん啓発イベントです。 毎回、ステージでパフォーマンスを行うアーティストの独自の発信力を活かした「トーク&ライブ」では、がんとは無縁のように見られる10代から20代のアイドルとがん体験者によるトークセッションが大きな反響を呼んでいます。がん患者にとっても、同じ悩みを抱えて乗り越えた人たちの体験が支えになる部分が大きいのではないでしょうか。 2024年も通算9回目となる、小児がん・AYA世代(15歳~39歳)のがん、臨床試験(治験)の啓発を目的とする女性アーティストによる日本最大級のチャリティーライブ「Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ) 2024」が、東京・池袋で開催されました。 同イベントは豊島区との共催で、株式会社サンシャインシティの協力を得て、9月2日と3日は池袋西口公園野外劇場グローバルリングシアター、9月21日と22日はサンシャインシティ噴水広場にて開催されました。総合司会は、がんサバイバーでフリーアナウンサーの笠井信輔さんが務めました。あなたは医師ですか。