オンコロの可知です。
突然ですが、2024年10月4日にオンコロをリニューアルしました。
以前からオンコロを閲覧されている方は使い勝手が変わり戸惑うかもしれませんが、慣れれば現サイトの方が格段に使い勝手が良いものと自負しておりますので今後ともよろしくお願いします。なお、今後、様々な施策を打って出ようと思っていますので「こんな機能が欲しい」等の意見があれば「お問い合わせ」からお願いできればと思っています。
さて、リニューアルに際して「
病院マップ」という機能を実装しましたが、この機能について補足します。
がん登録等の推進に関する法律と院内がん登録
2013年12月に 『
がん登録等の推進に関する法律 (がん登録推進法)』が成立、この法律は、 全国がん登録の実施やこれらの情報の利用及び提供、保護等について定めるとともに、院内がん登録等の推進に関する事項等を定めており 、2016年1月1日から施行され、「全国がん登録」について報告がなされるようになりました。
また、 2015年12月にがん登録推進法に基づき『
院内がん登録の実施に係る指針』が発出され、第一「院内がん登録の意義」3項に「 病院や国立がん研究センターにおいて、院内がん情報等を適切に公表することにより、がん患者及びその家族等の医療機関の選択等に資すること」と明記がされており、国立がん研究センターによって、がん情報サービス内に「
院内がん登録 全国集計 結果閲覧システム」と「
院内がん登録生存集計結果閲覧システム」を実装されています。なお、過去の集計結果についても同センター内の「
院内がん登録全国集計」も明記されていますのでご参考ください。
オンコロ病院マップについて
オンコロには医療機関についての相談が数多くあります。その際に参考にするのが「
院内がん登録 全国集計 結果閲覧システム」です。本システムを利用すれば、がん種ごと、国際病期分類ごとに医療機関ごとに「初回治療数」が出てくるという非常に便利なものです。これは、初診時の病院選択を検討するにせよ、セカンドオピニオン先を検討するにせよ非常に有益です。(ただし、注意点があるため後述します)
よって、患者さん向けのセミナーで「がん情報」で「病院選択」をテーマに話すときはこのシステムを使用することを強く勧めていました。ただし、誰もが簡単に操作できるシステムではないため、地図上に表示できれば便利かな?と思ったのが着想の原点でした。
それ故、オンコロ上に実装したシステムは「
院内がん登録 全国集計 結果閲覧システム 施設別 がん種別(病期/治療方法等)」のデータをGoogle Map上に可視化したシステムです。なお、私がプロット落としてデザイナーに渡したのが8月であり、それから1か月程度の突貫工事で実装したため、不具合やUI/UXの悪さについては今後順次改定してまいります。。。
【重要】オンコロ病院マップの注意点
非常に便利なものを実装したと思いつつ注意事項がありますので、以下に列挙します。
<大原則>
1.
病院ごとの優越を付ける仕組みではありません。参考になるといった程度です。
2.また、次にあげるように数字=病院実績ではないことに注意ください。
<数字について>
1.「当該病院でがんの初回治療を開始された方(初回治療開始例)を対象」となります。実際は、2次治療等も行われますし、治療後に転院されて治療されるかもしれません。よって、その病院の治療実態や実績を反映しているものではありません。
2.院内がん登録の仕組み上、同一人物が異なる医療機関で治療された場合に重複カウントがあり得ます。
3.国際病期分類で集計されており、マップ上の「ステージ」は実際の診療で用いられているものと異なる場合があります。
4.MAP上に示した医療機関のみで治療が行われているわけではありません。国立がん研究センターがん対策研究所がん登録センターの「
院内がん登録情報の精度検討 全国がん登録情報との比較研究 (2017年診断例 報告書)」によると、2017年 院内がん登録におけるがん登録割合」ではカバー率は約70%となります。
5.元データ上で1~3名や4~6名等の記載がある場合は中央値を採用しています。
病院MAPの今後の展開
今回、実装されたMAPはがん種とステージで検索した際の病院が明記される仕組みのみとなりますが、今後、jRCT(臨床研究等提出・公開システム)の情報と突合することで、どの治験がどの病院で実施してるかがわかる仕組みを付け加えようと考えています。
オンコロについても新しい取り組みを検討中ですので、今後も含めてこうご期待ください。