
オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
▼
オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「『ePRO』を知っていますか?」
結果・解説

今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは「ePRO」についてお伺いしました。皆さんは「ePRO(イープロ)」という言葉を、聞いたことはありますか?
最近、がん治療の分野で注目され始めている、がん患者さんご自身の治療をサポートするための新しい仕組みです。
今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは多くの方が「知らない」との回答結果になりましたので、ぜひこの機会に「ePRO」について知っていただければ幸いです。
「ePRO」とは?
ePROは、「electronic Patient-Reported Outcome(電子的患者報告アウトカム)」の頭文字をとった言葉です。
簡単に言うと、「がん患者さんご自身が、スマートフォンやタブレットを使って、ご自身の体調や生活の状況などを入力し、それを医師や看護師などの医療スタッフに伝える仕組み」のことです。
これまで、体調の変化(痛み、吐き気、だるさ、気分の落ち込みなど)は、病院での診察時に口頭で伝えたり、紙の問診票に記入したりするのが一般的でした。
しかし、ePROでは、病院にいない時(ご自宅など)でも、気になったタイミングでご自身の体調を入力することができます。
「まだイメージが湧きにくいな」という方は、下記のePRO紹介サイトをぜひご覧ください。がんサバイバーの方などがePROについて解説する動画なども複数掲載しています。
▼患者さんと医療者をつなげるアプリ ePRO
がん治療で期待されるePROの役割
ePROは、なぜ今後医療の現場、特にがん医療領域での活用が期待されているのでしょうか。そこには、がん患者さんにとって大切な3つのポイントがあります。
1. 伝え忘れを防ぎ、日々の体調を「見える化」できる
診察室では緊張してしまったり、時間が限られていたりして、本当に伝えたかった体調の変化を言い忘れてしまうことはないでしょうか。また、「いつからだるかったかな?」と、前回の診察からの記憶が曖昧になってしまうこともあります。
ePROを使えば、つらいと感じた時、気になった時にすぐ入力できます。入力された情報は、医療スタッフも確認できるため、ご自身の細かな体調の変化を「見える化」して共有するのに役立ちます。
2. 副作用や体調の変化に「早く気づき、対応」しやすくなる
抗がん剤治療や放射線治療などの副作用は、がん患者さんにとって大きな負担となります。「これくらいは我慢しないと」と、つい無理をしてしまうこともあるかもしれません。
ePROでこまめに症状を入力することで、医療スタッフが「副作用が強く出ているかもしれない」「少し気分の落ち込みが続いているようだ」といった変化に早く気づきやすくなります。それにより、お薬の調整や辛い症状を和らげるための対処法を早めに相談できる可能性があります。
3. 医療スタッフとの「コミュニケーション」を助ける
入力されたePROの情報は、診察時の大切な「共通の情報源」になります。「何となく調子が悪い」というだけでなく、「〇日前から吐き気が続いている」「痛みが週に〇回あった」という具体的な情報がePROを通じて共有されることで、医師や看護師も状況を把握しやすくなります。
これにより、診察の時間がより中身の濃いものになり、ご自身の希望や不安を伝える際にも役立つことが期待されます。
これからの取り組み
ePROは、がん患者さんご自身の「声」を、より正確に、よりタイムリーに医療スタッフに届けるための大切なツールです。
国立がん研究センターをはじめ、標準治療を行う多くの大学病院、関連する学会などでは、がん患者さんが治療を受けながら、より自分らしい生活を送れること(生活の質:QOLの向上)を重要視しており、そのためにePROのような新しい技術を活用する研究や取り組みを進めています。
もちろん、すべての病院でこの仕組みが導入されているわけではありませんが、もし主治医や看護師から、スマートフォンやタブレットを使った体調管理のシステム(ePRO)について案内があった場合は、ご自身の治療をサポートする一つの方法として、ぜひ話を聞いてみてはいかがでしょうか。
ご案内
オンコロ・ワンクエスチョンに参加したいという方は、オンコロのLINE公式アカウントを友だち追加の上、土曜日に配信されるオンコロ・ワンクエスチョンにご回答ください。
\友だち追加はこちらから/