
オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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質問
「リンパ浮腫対策のマッサージをされたことはありますか?」
結果・解説

がん治療中・治療後、腕や足にこれまでとは違うむくみや重だるさを感じて、不安に思われているがん患者さんやご家族の方もいらっしゃるかもしれません。その症状は、「リンパ浮腫」の可能性があります。
今回は、がん治療後に起こりうるリンパ浮腫と、その症状を和らげるためのセルフケアマッサージについて、分かりやすく解説します。ぜひご覧ください。
リンパ浮腫とは?マッサージの必要性とは?
がんの治療では、手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療を行ったりすることがあります。その影響で、体の老廃物や余分な水分を運ぶ「リンパ液」の流れが滞りやすくなり、皮膚の下にリンパ液が溜まってしまうことで、むくみ(リンパ浮腫)が起こります。
リンパ浮腫対策のマッサージ(専門的には「用手的リンパドレナージ」とも呼ばれます)は、滞ってしまったリンパ液の流れを、皮膚の表面を優しくなでるようにマッサージすることで、スムーズに流れるように手助けすることを目的としています。血行を促進する一般的なマッサージとは異なり、あくまでもリンパ液をゆっくりと動かすための非常に優しいケアです。
このようなマッサージを行うことで、下記のようなメリットがあります。
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むくみの軽減:むくみが和らぐことで、腕や足が動かしやすくなります。
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不快な症状の緩和:「重い」「だるい」「張っている」といった不快な感覚が楽になることが期待できます。
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皮膚を柔らかく保つ:むくみが続くと皮膚は硬くなりがちですが、マッサージは皮膚を柔らかく保つのに役立ちます。
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リラックス効果:優しいタッチのマッサージは、心身のリラックスにもつながります。
リンパ浮腫対策のマッサージ方法
ご自宅でもできるリンパ浮腫のセルフマッサージ方法はネットでも上がっております。今回は、国立がん研究センターのYouTubeチャンネルにて公開されている動画をご紹介します。
▼がん患者さんのためのセルフリンパドレナージ上肢編【国立がん研究センター中央病院】▼
▼がん患者さんのためのセルフリンパドレナージ下肢編【国立がん研究センター中央病院】▼
引用元:
国立研究開発法人国立がん研究センター「がん患者さんのための『リンパ浮腫』セルフケア動画」
安全に行うための大切な注意点
リンパ浮腫のマッサージは、ご自身で行える大切なケアですが、安全に行うためにも、下記の注意事項は必ず守ったうえで行ってください。
- 必ず主治医や専門家に相談してから始める
自己判断で始めるのは禁物です。まずは主治医や看護師、理学療法士などの専門家に「セルフケアのマッサージを始めたい」と伝え、ご自身の状態で行っても問題ないか、必ず確認しましょう。
- 正しい方法を指導してもらう
リンパ液には流れる方向があります。間違った方法で行うと、かえって症状を悪化させてしまう可能性もあります。専門家(リンパ浮腫療法士など)から、正しいやり方の指導を受けることが非常に重要です。
- 「優しく、ゆっくり、なでるように」が基本
強い力で揉んだり、押したりする必要は全くありません。皮膚の表面を、手のひら全体で優しくなでるような、とても軽い圧で行います。痛みを感じるほどの強さは絶対にやめましょう。
- こんな時はマッサージをお休みする
以下の場合は、マッサージを行うことで症状が悪化する可能性があるため、お休みしてください。
・皮膚に赤み、熱っぽさ、痛みがある(感染のサインかもしれません)
・皮膚に傷や湿疹がある
・体調が悪い、熱がある
・食後すぐや飲酒後
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