
オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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質問
「『科学的根拠のあるがん治療』はどうやって決まるか知っていますか?」
結果・解説

がんの治療法について情報を集められる中、「科学的根拠に基づいた情報を参考にしましょう」といったアドバイスを見聞きした方もいらっしゃるかもしれません。
「科学的根拠のあるがん治療」と聞くと、なんとなく大切なことだと感じても、具体的にどのような基準で「科学的根拠がある」と言えるのか、その詳細までご存じの方は多くないでしょう。今回のオンコロ・ワンクエスチョン解説記事では、そんな科学的根拠のあるがん治療について解説します。がん情報の探し方に関するオンコロ・ワンクエスチョン記事と併せてぜひご覧ください。
「科学的根拠のあるがん治療」とは?
「科学的根拠のあるがん治療」とは、「標準治療」のことです。
「標準」と聞くと「並程度」と思われがちですが、がん治療では全く違います。標準治療とは、多くの臨床試験(治験)で、現時点で最も効果が高いと証明され、安全性も確認された治療法です。つまり、科学的データに基づき専門家が認めた「現時点で最善と考えられる治療」を指します。
標準治療は一つではなく、がんの種類や進行度、患者さんの状態や希望などを総合的に考慮し、担当医と一緒に最適なものを選びます。
「科学的根拠のあるがん治療」=「標準治療」の決まり方
新しい薬や治療法が標準治療として認められるまでには、長い年月と多くのステップをクリアすることが必要です。
- 基礎研究
まず実験室で、がん細胞に効く可能性のある物質や治療法を探します。細胞や動物実験で効果や安全性の「タネ」を見つけます。
- 臨床試験(治験)
基礎研究で有望な治療法は、次に「臨床試験(治験)」に進みます。がん患者さんの協力のもと、人での効果と安全性を科学的に調べる重要なプロセスです。主に3段階あります。
・第I相試験:少人数を対象に、主に治療法の安全性を確認し、適切な投与量などを慎重に調べます。
・第II相試験:比較的少数の特定のがん患者さんを対象に、効果と副作用を詳しく調べます。
・第III相試験:より多くの患者さんを対象に、新しい治療法と従来の標準治療などを比較し、有効性と安全性を最終確認します。ここで良い結果が得られて初めて、国に承認申請されます。
- 審査・承認
臨床試験で有効性と安全性が科学的に証明された治療法は、日本の厚生労働省によって厳しく審査され、承認されて初めて医療現場で使えます。
- 診療ガイドラインへの掲載
承認された治療法は、各がんの専門家が作成する「診療ガイドライン」に掲載されます。これは医師が標準治療を行う上での指針となり、常に最新情報に更新されます。
このように標準治療は、多くの研究者、医師、そして臨床試験に参加した患者さんたちの協力のもと、科学的根拠を積み重ねて確立されます。
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