オンコロLINEの友だちを対象に、がんに関する疑問やお悩みにお答えするオンコロ・ワンクエスチョン!設問によってLINEのお友だちの方々のご意見もお伺いします!
質問
「がん遺伝子パネル検査やコンパニオン診断薬をご存じですか?」
結果・解説
今回も多数のご回答いただきありがとうございました。
「がん遺伝子パネル検査やコンパニオン診断薬を知っていますか?」という質問に対し、よく知らないという方が多くいらっしゃる結果となりました。
コンパニオン診断薬は「薬」とついているためがん治療かと思われる場合もあるかもしれませんが、がん遺伝子パネル検査やコンパニオン診断薬は、患者さんのがんの特徴などを調べるための検査になります。
この2つの検査は、それぞれ下記のような特徴や目的で使用されます。
<コンパニオン診断薬>
・特徴や目的
一部のがんについて、1つまたは少数の遺伝子を調べます。その後、検査結果と治療ガイドラインにもとづいて、遺伝子変異に対応した最適な薬はどれか治療薬を選びます。
※特定の遺伝子変異によるがんかどうかを検査します。
・使用時期
どの治療薬にするのか決めるとき
▼参考資料:がん情報サービス「がん医療における遺伝子検査 もっと詳しく」
<がん遺伝子パネル検査>
・特徴や目的
がんの組織を使って1回で数十~数百の遺伝子に対して、遺伝子の変化があるかを調べることができます。
それによって、患者さん一人ひとりのがんの性質を把握し、適した治療法を検討します。
・検査時期
標準治療がないまたは終了が見込まれるとき
※標準治療がない場合、原発不明がん、希少がんなどの場合に検査することもあります。
▼参考資料:がん情報サービス「がんゲノム医療 もっと詳しく」
▼参考動画:国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター「がん遺伝子パネル検査を検討するにあたって」
前述の通りどちらもより最適な治療を選択するための検査になります。
しかし、がん遺伝子パネル検査の方が、より広い範囲から患者さん個々のがんの種類・状態などに合わせて治療を選択します。
(このように個々の患者さんに合わせて治療を行う医療を「がんゲノム医療」といいます。)
近年、がんに対する研究が進み、標準治療の中から、患者さんのがんの特徴に効果的な治療を調べられるなど、治療の選択肢が広がりました。そのため、それに応じて治療を選ぶためのツールも増えています。
なお、検査しても最適な治療薬が分からないケースも十分あり得ますが、その場合でも引き続き最善の治療が受けられるよう、医療関係者がサポートいたします。
そのため、がん遺伝子パネル検査やコンパニオン診断薬などは、ご自身のがんの状態をより知り治療に役立てるための検査として捉えていただければ幸いです。
また、2024年3月22日にオンコロチャンネルにてがんゲノム医療に関するセミナーがありました。分かりやすく解説されておりますので、ぜひご視聴ください。
セミナー終了後の質問コーナーでも患者さんにとってお役立ちいただける内容をご回答いただいております。
▼セミナー:オンコロチャンネル「病理診断とがんゲノム医療セミナー」
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