オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
▼
オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「がん治療中に味覚障害はありましたか?」
結果・解説

がん治療中の「食事がおいしくない」「味がしない」という悩みは、単に栄養の問題だけでなく、日々の楽しみや気持ちの落ち込みにも大きく関わる切実な問題です。
今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、「味覚障害」をテーマにがん患者さんやご家族にお伺いしました。結果、約7割の方が治療中に何らかの味覚の変化を経験された一方、約3割の方は「特に変化はなかった」と回答いただきました。
なぜこのような差が生まれるのか、その理由と味覚障害が起きる仕組み、今日から試せる対策をご紹介します。
「特に変化はなかった」人が約3割いる理由
がん治療と一口に言っても、手術、薬物療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、ホルモン療法)、放射線治療など多岐にわたります。
味覚障害は主に特定の抗がん剤や頭頸部への放射線治療で起こりやすく、ホルモン療法や手術のみの場合、あるいは使用する抗がん剤の種類によっては味覚への影響がほとんど出ないケースもあります。治療法や体質によって症状の出方には大きな個人差があります。
がん治療で味覚障害が起こる原因と具体的な症状
■ なぜ味覚障害が起こるのか
1.味蕾(みらい)細胞への影響:
舌の表面には味を感じる受容体「味蕾」があります。抗がん剤や放射線治療によって味蕾細胞が影響を受けたり、味を感じる神経への影響が生じたりすることで、味覚が変化することがあります。
2.亜鉛の不足:
亜鉛は味蕾の働きに関係する栄養素です。治療や薬剤の影響などによって亜鉛が不足すると、味覚に影響することがあります。
3.お口の中の環境変化:
治療に伴う唾液の減少(ドライマウス)や口内炎、舌の汚れ(舌苔)の付着も、味が神経に伝わるのを阻害する要因となります。
■ 具体的な症状の現れ方
・味が薄い・感じない(味覚減退・脱失):
何を食べても味がせず、砂を噛んでいるように感じたり、出汁の旨味や塩気が分からなくなったりします。
・味が変わる(異味症):
白米や水、お肉を食べたときに「金属のような味」や「苦味・渋み」を感じる症状です。
・特定の味(甘味・酸味・塩味・苦味・旨味)のアンバランス:
特定の味だけを強く不快に感じたり、逆にその味だけが感じづらくなったりします。
・何も食べていなくても味がする(自発性異常味覚):
口の中に何も入っていない状態でも、常に苦味や塩気などを感じ続けます。
味覚障害を和らげる・乗り切るための工夫
食事から十分な栄養をとることは、体力や栄養状態を保つうえで大切です。「味が変わって食べにくい」と感じたときは、以下の工夫を試してみてください。
1. 食べやすい食材を選ぶ
・比較的食べやすい、においの少ないたんぱく質食品:
鶏肉、白身魚、豆腐、卵など。赤身肉や魚のにおいが気になる場合は、無理に食べず、別のたんぱく質食品に置き換えてみましょう。
・あっさりした冷たい食べ物:
そうめん、うどん、豆腐、ゼリー、プリン、アイスクリームなど。冷やすことで立ち上る匂いが抑えられ、喉通りも良くなります。
・甘みや酸味を取り入れる:
酸味や甘みが食べやすく感じられる場合もあります。ただし、口内炎などがある場合は、酸味の強い食品が刺激になることがあるため、無理に取り入れる必要はありません。
2. 調理法や器具を工夫する
・食器を木製やプラスチック製にする:
金属製のスプーンやフォーク、缶詰から直接食べることを避けることで、口の中の「金属味」を軽減できます。
・料理の温度を少し冷ます:
温かい料理は匂いが強く立ち上り、不快感や吐き気を誘発しやすくなります。食べやすい温度まで冷まして食べるのがおすすめです。
・メリハリのある味付けにする:
出汁の旨味が分かりにくくなった場合は、ポン酢、レモン汁、カレー粉、ケチャップ、ソース、風味付けのごま油などを活用し、味や香りにアクセントをつけます。
3. お口の中のケア(口腔ケア)
・こまめなうがいで潤いを保つ:
唾液が減って乾くと味を感じにくくなります。水や生理食塩水、人肌程度のお湯でのうがいや、保湿ジェルなどを活用してお口の潤いを保ちます。
・やさしい口腔清掃:
舌苔が気になる場合は、舌専用の柔らかいブラシなどで、強くこすらずやさしく清掃しましょう。口内炎や粘膜の傷がある場合は、無理に舌を清掃せず、医療スタッフに相談してください。
医療スタッフへの相談
治療による味覚障害は、治療終了後に徐々に改善することが多い一方、治療の種類や照射部位などによっては、長期間続く場合もあります。回復の時期や程度には個人差があります。
しかし、「味がしないことで食事が摂れず体重が落ちている」「水分補給もつらい」といった場合は、無理をせず主治医や看護師、薬剤師、管理栄養士に相談してください。亜鉛不足が確認された場合などには、医師の判断で亜鉛製剤が処方されることがあります。
ご案内
オンコロ・ワンクエスチョンに参加したいという方は、オンコロのLINE公式アカウントを友だち追加の上、土曜日に配信されるオンコロ・ワンクエスチョンにご回答ください。
\友だち追加はこちらから/