オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「がん治療や体調に関する記録(メモ)を取っていますか?」
結果・解説

がん治療の過程では、通院スケジュールや服薬管理、検査結果、日々の体調変化など、膨大な情報に向き合うことになります。「すべてを完璧に覚えておくのは難しい」「診察室に入ると焦ってしまう」と感じる場面も少なくありません。
そんなとき、診察や日々の体調管理を助けてくれる方法の一つが「記録・メモを取る」ことです。今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、がん患者さんやご家族を対象に、日頃どのような記録を取っているか、そして実践されている工夫や体験をお伺いしました。
がん治療中、どのような記録・メモを取る?
今回のアンケート結果から、9割以上の回答者が何らかの形で治療や体調に関する記録(メモ)を残していることが分かりました。
最も多かった記録内容は、「治療スケジュールや通院日」(186名)、次いで「副作用や日々の体調の変化」(180名)となり、スケジュール管理と症状変化の把握が二大活用法となっています。また、「体重・体温・検査数値」(146名)や「診察時のメモ・医師への質問事項」(126名)も多く、客観的なデータを残したり、診察時に伝えたいことを整理したりするために、記録を活用している方も多いことが分かります。
なぜ記録が大切? 記録・メモをつける3つのメリット
治療中は、聞き慣れない医療用語や予測のつかない体調変化に不安を感じやすいものです。メモを取ることには、診察や体調管理、気持ちの整理などに役立つ可能性があります。
1. 診察室での「言い忘れ」「聞き忘れ」を防ぐ
いざ主治医の前に出ると、緊張して聞きたいことを忘れてしまったり、前回の受診からの体調変化をうまく説明できなかったりすることは珍しくありません。事前に気になったことや症状をメモしておくことで、短時間の診察でも伝えたいことを落ち着いて主治医や看護師に伝えやすくなります。
2. 副作用などの経過が追いやすくなり、医療者に伝えやすくなる
「投薬後○日目にだるさが出た」「この時期に食欲が落ちた」など、症状がいつ、どの程度あったかを記録しておくと、自分の体調の変化を振り返りやすくなります。
また、症状が出た時期や程度を具体的に伝えることで、主治医や薬剤師が症状の経過を把握しやすくなり、副作用を和らげる薬やケア(支持療法)などについて相談する際にも役立ちます。
3. 気持ちを書き出すことで、心の整理と安心感につながる
体調などの数値データだけでなく、その時感じた不安や感情を書き出すことが、心理的な負担の軽減などにつながる可能性についても研究されています。
患者さん・ご家族から寄せられた記録・メモの工夫
ここからは、アンケートに寄せられた患者さんやご家族のリアルな工夫やアドバイスをご紹介します。
※ここでご紹介する内容は、アンケートに寄せられた患者さんやご家族の記録・メモに関する工夫や体験をまとめたものです。治療内容や体調、生活環境、医療機関の方針などによって適した方法は異なります。すべての方に当てはまるものではありませんので、ご自身に合う方法を無理のない範囲で参考にしてください。
1. 医師・医療スタッフとの連携・診察のための記録
■ 診察前の事前メモ・手紙:聞きたいことや疑問を普段から箇条書きで書き留めておき、診察時にメモを見せながら話したり、事前に手紙として渡したりすることで(※医療機関によって方針は異なります)、限られた診察時間でも聞き忘れを防ぎやすくなります。
■ 診察内容・指示の記録:医師から言われたこと、検査結果、今後の治療方針などを、忘れないうちに書き留めているという工夫が寄せられました。
■ 紙のノートの活用:スマホよりも紙の専用ノートやスケジュール帳の方が、パッと開いてサッと書き込みやすく、診察時にも医師に見せやすいという声があります。
質問がたくさんある場合は、付箋を使ったり、絵や図で示したりして、伝えたいことを整理しているという声もありました。
患者さん本人が辛い時は、身近な家族などがノートを用意してサポートするのも一つの手です。
■ 入院中の記録:入院中には、記録を看護師などの医療者に共有することで、食事内容の変更や薬の処方など、こまめな対応につなげることができる、という工夫も寄せられました。
2. 体調・副作用・身体の変化の記録
■ 副作用と時期の把握:抗がん剤などの薬物療法を受けている場合は、薬の名前や投与日、症状が出た時期や程度などを記録しておくと、自分の体調の変化を振り返りやすくなります。また、次の診察で副作用の経過を具体的に伝える際にも役立ちます。
■ 数値化・客観的な記録:
・痛み:「痛みがない」を0、「これ以上ないほどの痛み」を10とするなど、毎回同じ基準で数値化すると、痛みの変化を医療者に伝える際の参考になります。
・バイタル・体重:朝一番に体温・血圧を測る習慣をつけている、体重の変化を記録している、などの工夫が寄せられました。
・食事・排泄:基準量を100%とした食事量、食べられたメニュー、1日の排便回数を記録し、体重の変化と照らし合わる、という回答もありました。
■ 変化があった時だけのメモ:毎日細かく書かなくても、「いつもと違う」「気になる」と感じた時や痛みがひどい時だけ詳しくメモを残す方法も一つの方法です。
3. 気持ち・メンタルケアとしての記録
■ 感情の吐き出し:不安や落ち込んだ気持ち、本音などをノートや紙に書き出している、という工夫も寄せられました。
■ 自由なノート作り:気持ちの変化だけでなく、やりたいことリスト、買い物リスト、子どもへのメッセージなどを自由に書き留めておく使い方も寄せられました。
■ 自分の歩みの実感:後から読み返すことで、「これまで自分が頑張ってきた」と振り返るきっかけになり、心の支えになると感じる方もいます。
4. 費用・買い物・手続きの記録
■ 医療費・関連費用の記録:治療費や通院・がんに関する費用を書き出しておくことで、各種申請や手続きに必要な情報を整理する際に役立ちます。
■ 必要なもののメモ:入院中や通院中に必要なものを日頃からメモしておくことで、買い物の予定が立てやすくなります。
5. 記録に使うツールや工夫
■ 記録用アプリの利用:
・がん治療や薬の管理に対応した記録アプリなど各種アプリの活用。
・治療の影響で手のしびれなどがあり、ペンを持つことがつらいときでも、スマホアプリなら指先で手軽に記録できます。
■ デジタル機能・SNSの活用:
・写真:身体の変化などを撮影しておくと、後から経過を振り返る際の参考になります。
・スマホのメモ機能・LINEのトーク内の自分用メモ・Instagram:手軽なメモ代わりにしたり、非公開アカウント(鍵付き)にしたSNS(Instagram等)に自分だけの暗号のように投稿して残したりする方法もあります。
※個人情報や診療情報を含む写真・記録をSNSに残す場合は、公開範囲やサービスの利用規約をご確認ください。
■ アナログツールの工夫:
・血圧手帳や薬局のダイアリー:病院や薬局でもらった手帳のメモ欄を活用しているという回答もありました。
・自作フォーマット・Excel:表を作成して数値の経緯を追ったり、受診科別に色分けしたり、好きなキャラクターのイラストを入れて気分が上がるよう工夫するケースもあります。
・1ページのノートを「受診内容・検査結果」「体調の変化」「体重」など、スペースを3つに区切って記入すると後から見返しやすくなるという工夫もありました。
6. 記録との向き合い方・心構え
■ 記録を取る意義:記録は、体調や副作用の変化を振り返り、医療者に伝えるための一つの手段です。自分の状態を整理しながら、主治医をはじめとする医療スタッフと一緒に治療やケアについて考えていく際にも役立ちます。
■ 無理をせずマイペースに:体調が辛い日や気が向かない日は「今日は無理してつけない」と割り切り、大まかな記録で済ませるなど、頑張りすぎないことが大切です。
■ あえて記録しない選択:日常生活の感覚を大切にするため、あるいは育児や介護などで余裕がない場合は、あえて記録を取らない選択も大切です。記録することが負担になってしまう場合は、無理に続ける必要はありません。
最後に
記録は、体調を自己判断するためではなく、医療者に伝えるためにも役立つものです。治療中に気になる症状や急な体調変化があった場合は、記録だけで様子を判断せず、医療機関に相談しましょう。
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