オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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質問
「『2026年8月からの高額療養費制度改正』どのくらい知っていますか?」
結果・解説

2026年8月から実施される「高額療養費制度」の改正(見直し)。「医療費の自己負担が増える」というニュースを見て、今後の治療費に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。今回のオンコロ・ワンクエスチョンの結果でも、約8割の方が「改正は知っているが自分への影響まではわからない」「全く知らない」と回答されました。
長期にわたることも多いがん治療ではお金の負担も大きく、今回の改正には多くの方が強い関心を寄せられています。しかし、制度の仕組みが複雑なため「今回の改正で何がどう変わるのか」「自分にどう影響するのか」を正確に理解するのは簡単ではありません。そこで今回の記事では「がん治療費」に視点をあて、今回の改正における重要なポイントと、がん患者さんへの実際の影響を分かりやすく解説していきます。
2026年8月改正の「3つの重要ポイント」
■ ポイント①: 月額の自己負担上限が約7%引き上げ(負担増)
現行の5つの所得区分は維持されますが、制度を持続可能にするため、月単位の自己負担限度額が約7%程度引き上げられます。
【例:一般的な所得(区分ウ:年収約370万〜770万円/70歳未満)の場合の自己負担上限額】
・2026年7月まで: 約80,100円 +(医療費−267,000円)× 1%
・2026年8月以降: 約85,800円 +(医療費−286,000円)× 1% 前後へ引き上げ
(※1か月の医療費総額が100万円の場合、自己負担額が月約87,000円から約93,000円へ、約6,000円ほど増額となります)
■ ポイント②: 「多数回該当」の金額はそのまま据え置き【重要】
高額療養費には、直近12か月間で3回以上限度額に達した場合、4か月目から限度額がさらに下がる「多数回該当」という仕組みがあります。今回の改正では、がん治療など長期療養中の方に配慮し、「多数回該当」適用時の上限額は引き上げず、現行のまま据え置きとされています。
【例:区分ウ(年収約370万〜770万円)の場合】
・4か月目以降の月額上限:月額 44,400円 のまま変更なし
■ ポイント③: 「年間上限額」の新設
月ごとの限度額にはわずかに届かないものの、高額な医療費(通院での抗がん剤治療や定期的な検査など)が1年中続く方向けに、「年間上限額」が新たに導入されます。1年間の自己負担合計が一定額(例:70歳未満・区分ウ〔年収約370万~770万円〕では年間53万円)に達した場合、それ以降に支払った自己負担分は、後日保険者から還付されます。
※ 計算期間は1月〜12月ではなく、8月1日〜翌年7月31日の1年間で集計されます。
※ 実際の還付方法や申請方法は、ご自身が加入している公的医療保険(健保組合や国保など)からの通知をご確認ください。
がん患者さんのタイプ別・実際の影響
ご自身の治療スタイルや期間によって、影響は大きく異なります。
■ パターンA:毎月高額な治療(手術・放射線・高額な薬など)が続く方
1〜3か月目までは月額上限の引き上げにより月数千円〜数万円程度の負担増となりますが、4か月目以降は「多数回該当」が適用されるため、従来と変わらない負担額で抑えられます。
| 期間 |
現行の負担(区分ウ) |
2026年8月以降(区分ウ) |
影響 |
| 1~3カ月目 |
月 約87,000円 |
月 約93,000円 |
月約6,000円の負担増 |
| 4カ月目以降 |
月 44,400円 |
月 44,400円(据え置き) |
変化なし |
※医療費総額100万円程度の例です。
※負担増の額は医療費や所得区分によって異なります。
■ パターンB:毎月の治療費が「あと少しで月上限に届かない」が1年続く方
例えば、通院での抗がん剤治療などにより、毎月の窓口負担(3割負担)が5〜7万円程度続くケースでは、1か月あたりの自己負担額が高額療養費制度の月額上限に達しないため、これまでは高額療養費の対象とならず、年間では70〜80万円程度を自己負担していた方もいました。
今回新設される「年間上限」により、こうしたケースでは年間の自己負担額が一定額(70歳未満・区分ウの場合は年間53万円)を超えた分が還付されるため、年間の負担が軽減される可能性があります。
最後に:今後のスケジュールと注意点
この度の2026年8月の改正に続いて、来年の2027年にも高額療養費制度の改正が予定されています。
第1段階(2026年8月〜): 上述のとおり「月額上限の約7%引き上げ」「年間上限の新設」「多数回該当の据え置き」がスタートします。
第2段階(2027年8月〜): 所得区分が現在の5区分からより細かな区分へ見直され、所得に応じた自己負担上限額へと再編される予定です。
なお、差額ベッド代、先進医療費、病院での食事代、交通費などは、高額療養費制度の対象外(全額自己負担)である点はこれまでと変わりません。
また今回のオンコロ・ワンクエスチョン内の記事でご紹介いたしました計算例は、70歳未満の一般的な年収帯(区分ウ:年収約370万〜770万円)を前提とした試算値です。70歳以上の方や住民税非課税世帯等には別途異なる限度額・配慮策が設定されています。年間上限額を含む正確な所得区分や自己負担上限額は、お持ちの保険証の種類や課税状況によって異なりますので、ご自身の具体的な金額やお手続きについては、以下へご相談ください。
・加入している公的医療保険の窓口(健康保険組合、協会けんぽ、市区町村の国民健康保険課など)
・かかりつけ病院の「がん相談支援センター」または「医療相談室(ソーシャルワーカー)」
※医療費のやりくりや利用できる助成制度について、無料で相談に乗ってもらえます
出典・参考資料:厚生労働省「
高額療養費制度の見直しについて」
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