オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「あなたのお薬手帳の使い方を教えてください」
結果・解説

がん治療が始まると、抗がん剤だけでなく、副作用を抑える薬や支持療法のための薬など、服薬の管理が一気に複雑になります。そんな治療の相棒となる「お薬手帳」について、がん患者さんとご家族を対象にどのように使われているのか、お伺いしました。
今回は、選択肢以外の「その他」として寄せられた使い方をご紹介するとともに、治療の安全性を高めるための「お薬手帳の正しい活用法と注意点」を交えて解説します。
多くの方が実践していた活用法:日々の体調管理と治療スケジュール
今回のオンコロ・ワンクエスチョンの回答結果の上位に並んだ「副作用のメモ」「アプリの使用」「治療スケジュールの管理」は、がん治療における自身の体調や治療管理のほか、医療従事者とのコミュニケーションを円滑にするために、とても役立つアプローチです。
① 副作用や体調のメモ(35票)
診察の際、主治医や薬剤師は「薬がどのように効いているか」「どのような症状が出ているか」を正確に把握したいと考えています。
【みなさんの声】
「お薬手帳とは別に、血圧や体調を記入する手帳をもらい、そこに書いている」
「喘息もあり、喘息日記にそれらの一部を記載する場合もあり、2つを併せて利用している」
手帳に直接書き込む方法だけでなく、このように他の疾患の管理ノートと併用されている方も多くいらっしゃいました。ご自身のやりやすい方法で体調の変化を記録しておくことは、次の診察で薬の量を調整したり、副作用を和らげる薬を追加したりする際の貴重な判断材料になります。
② アプリ(電子版)の活用(33票)
スマートフォンで管理できる電子お薬手帳は、常に持ち歩くスマホだからこそ「うっかり忘れてしまう」のを防げる点が大きなメリットです。
【みなさんの声】
・「紙手帳とアプリを併用。医療機関側としては、パッと見られる紙手帳のほうが助かることもあるので」
このように「紙とアプリの併用」という工夫をされている方もいました。普段の持ち歩きやご家族との情報共有にはアプリを使い、病院の窓口では紙の手帳を提出するなど、ご自身の体調や状況に合わせて紙とアプリを使い分けるのも非常に現実的で便利な方法です。
③ 治療スケジュールの管理(32票)
がんの薬物療法では、「一定期間薬を服用し、その後一定期間休薬する」といった複雑なサイクル(レジメン)がよく用いられます。
【みなさんの声】
・「服薬の休薬期間、再開日、減薬など、変化のあった日とその期間、用量を記録している」
・「その薬を処方された理由や、原因となった病気の罹患記録として残している」
スケジュールや服薬の変化を記録しておくことは、適切な服薬管理につながるだけでなく、患者さんご自身が「今は治療の時期」「今は体を休める時期」という見通しを立て、心の準備につながると感じる方もいます。
医療安全を高めるための記録と、心の負担を和らげる工夫
中位にランクインした「市販薬の記録」や「手帳の装飾」には、治療を安全に進めるための側面と、気持ちを前向きに保つ工夫という側面があります。
④ 市販薬・サプリメントの記録(24票)
すでに実践されている方も多いこの項目は、治療の安全性を守るために重要な意味を持っています。
【みなさんの声】
・「アレルギーの記録や、禁忌(飲んではいけない薬)を書いてもらっている」
がん治療で使われるお薬は、他の薬剤や食品との「相互作用(飲み合わせ)」に注意が必要です。これは病院から処方されるお薬だけでなく、ご自身で購入された市販の風邪薬や漢方薬、健康食品(サプリメント)も例外ではありません。一部のサプリメントやハーブの中には、抗がん剤などを代謝する酵素に影響を与え、抗がん剤の効果を弱めてしまったり、逆に副作用を強めてしまったりするものがあると報告されています。
また、治療中は免疫力が低下することがあるため、いつ何のワクチン(予防接種)を受けたかという記録も、医師が治療方針を検討する際の重要な情報になります。飲んでいるサプリメントや市販薬、アレルギーの履歴、ワクチンの記録は、ぜひお薬手帳に書き留めるか、メモを挟んだり、それ以外の方法でも構いませんので、医療従事者へ必ず伝えるようにしましょう。
⑤ お気に入りのカバーやシールで装飾(29票)
【みなさんの声】
・「最初の頃は内容を貼りまくるだけだったが、手帳の表紙がかわいいキャラクター物だった」
・「無料でもらうものではなく、自分の好きなキャラクターの絵柄のものを購入して気持ちを上げる」
・「薬局でもらった手帳のカバーだけを、自作のものと差し替えている」
医療機関から渡される手帳を自分好みにアレンジすることは、単なる見た目の変更にとどまりません。日々のがん治療という厳しい生活の中で、少しでもご自身の気持ちを前向きに保つ工夫のひとつといえます。
通院や手続きの負担を軽くするためのさまざまなアイデア
他の選択肢や、その他の回答でお寄せいただいた使い方をご紹介します。
⑥ 医師への質問メモ(9票)& 検査結果の貼り付け(17票)
診察室に入ると緊張してしまい、聞きたかったことを忘れてしまうというのは多くの方が経験することです。
【みなさんの声】
・「医師から言われたことや指示なども記載する。検査結果は基本的にコピーを貼り付け、処置や注射、検査の一部は診療報酬明細書を貼り付けている」
・「余りすぎた薬(残薬)を調整してもらうためのメモとして使っている」
お薬手帳の次のページなどに、あらかじめ質問したいことや、自宅に残っているお薬の数をメモ(または付箋で貼り付け)しておき、診察室でそのまま医師や薬剤師に見せる方法は非常に有効です。医師からの指示や検査結果、明細書なども一緒にまとめておけば、これまでの治療の軌跡がすべて分かる「ご自身の医療記録」になります。
⑦ 専用・自作手帳の活用(13票)
【みなさんの声】
・「お薬手帳のうち1冊は、既往歴(過去の病気)や入院手術歴、家族歴、ある時点での内服薬一覧やワクチン歴をまとめたり、貼り付けたりして『マイカルテ風』にしている」
・「心臓病手帳と併用している」
・「予防接種(ワクチン)をした時には、接種した日付と種類をそれぞれポストイットにメモして添付、証明書のナンバリングがわかるようにしている」
過去の病歴やワクチンの記録(特に免疫力が低下する化学療法中において、いつ何のワクチンを打ったかは重要な情報です)をまとめる「マイカルテ」のように使われているというご意見もありました。
※複数に分ける場合の注意点
使いやすさのために手帳が複数に分かれること自体は問題ありませんが、お薬手帳の最大の原則は「すべての情報を医療従事者が一元的に確認できること」です。もし用途に合わせてノートを分けている場合は、受診時や薬局の窓口で「持っているすべての手帳・ノート」をセットで提出するようにしてください。医療従事者がすべての服薬状況を同時に把握することで、危険な重複や飲み合わせを未然に防ぐことができます。
⑧ 限度額認定証や領収書の一括保管(7票)
がん治療においては、高額療養費などの手続きも多く発生します。お薬手帳のカバーに、診察券や「限度額適用認定証」、その日の領収書などをまとめて保管しておくことで、会計時の手間や書類の紛失を防ぎ、通院の負担を軽減することができます。
「処方シールを貼るだけ」も、十分に正しい使い方です
ここまで様々な工夫をご紹介してきましたが、最後にとても大切な視点をご紹介します。
【みなさんの声】
・「お薬手帳は薬局の方が処方された薬のシールを貼っていってくれるので、そのまま、時々薬の種類を確認するだけです」
・「入院時に持参し薬の確認をしてもらうために使っています」
「色々書き込まなければいけないのかな」と負担に感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。「処方された薬のシールを貼り、医療機関に見せる」――これだけでも、お薬手帳本来の重要な役割を果たすことができます。
お薬手帳の本来の目的は、万が一の緊急搬送時や災害時、あるいは別の医療機関にかかった際にも、医療従事者が「今、何の薬をどれくらい飲んでいるか」を適切に把握し、安全な医療を提供できるようにすることです。体調が優れないときや、細かな記録が負担に感じるときは、ただ医療機関に「手渡すだけ」で十分です。ご自身の負担にならない範囲でご利用ください。
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