
オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「がんクイズ:分散型治験として適切な略称はどれでしょうか?」
結果・解説

今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、がん治療の最前線で使われる「略称」をテーマにクイズを実施しました。医療現場ではアルファベットの略称が飛び交い、戸惑うことも多いかと思います。しかし、これらは「自分らしい治療」を選択するための大切なキーワードでもあります。正解を確認しながら、それぞれの意味を紐解いていきましょう。
クイズの正解
今回のクイズでは「分散型治験として適切な略称とは?」というテーマに対し、選択肢の中から該当すると思う略称を選んでいただきました。
圧倒的多数の方が正解された通り、分散型治験の略称は 「DCT」 です。下記では、各略称の日本語での名称とそれらの解説をご紹介します。
クイズの解説
分散型治験は、英語では「Decentralized Clinical Trial」と表記され、略称はDCTとなります。
( ✕ )SDM
( 〇 )DCT
( ✕ )QPL
( ✕ )PRO
( ✕ )ICI
それぞれの選択肢について解説いたします。
1.SDM(Shared Decision Making):共同意思決定
SDMは、医師が一方的に治療法を決定したり、逆に患者さん一人に判断を委ねたりするのではなく、医療者と患者さんが「対等なパートナー」として情報を共有し、共に納得できる治療方針を選んでいくプロセスを指します。
がん治療においては、手術・薬物療法・放射線療法など選択肢が多岐にわたることが多く、生存期間の延長だけでなく「仕事との両立」や「生活の質(QOL)」など、患者さん個人の価値観が重視されます。エビデンス(科学的根拠)と患者さんの希望をすり合わせることで、後悔のない治療選択につながることが期待されています。
2.DCT(Decentralized Clinical Trial):分散型治験
DCTは「分散型治験」と呼ばれ、オンライン診療やデジタル技術、訪問看護、近隣の医療機関などを活用することで、従来の治験のように特定の大病院へ何度も通わずに参加できる新しい仕組みです。
がんの治験は都市部の専門病院に集中しがちで、地方在住の方や体調が優れない方にとって「移動の負担」が大きな壁となっていました。DCTが普及することで、どこに住んでいても最新の治療選択肢にアクセスできる「治験の民主化」が進むと期待されています。ウェアラブルデバイスなどでの体調管理により、安全性と利便性を両立した次世代の臨床試験として注目されています。
3.QPL(Question Prompt List):質問促進リスト
QPLは、診察室で医師に聞きたいことを整理するための「質問ヒント集」です。
がんの告知直後などは、誰しも動揺して「何を聞けばいいのかさえ分からない」状態に陥りがちです。あらかじめ「治療の効果や副作用」「費用」「日常生活の制限」といった項目がリスト化されているQPLを活用することで、限られた診察時間内でも聞き忘れを防ぎ、主体的に情報を得ることができます。
国立がん研究センターなどの公的機関でも、医師とのコミュニケーションを円滑にし、不安を解消するための有効なツールとして推奨されています。
4.PRO(Patient-Reported Outcome):患者報告アウトカム
PROは、検査数値や医師の観察ではなく、患者さん自身が感じる症状や生活への影響を直接報告した指標です。
がん治療では、血液検査には現れない「しびれ」「倦怠感」「心理的な苦痛」といった副作用が治療継続の鍵を握ります。
最近ではスマホなどでリアルタイムに症状を報告する「ePRO」の導入も進んでいます。これにより、副作用の兆候を医療チームがいち早く察知して早期介入が可能になるため、結果として治療の安全性や継続性が高まり、生存期間の改善につながる可能性が示唆されています。
5.ICI(Immune Checkpoint Inhibitor):免疫チェックポイント阻害薬
ICIは、がん細胞が免疫細胞にかけている「ブレーキ」を解除し、自分自身の免疫細胞(主にT細胞)を再活性化させてがんを攻撃する薬剤の総称です(オプジーボやキイトルーダなど)。
従来のがん治療の体系を大きく変えた画期的な薬であり、特定のがん種では長期の生存維持が可能になってきました。ICIの登場により、「免疫を正しくコントロールする」という新たな視点が治療に加わりました。
現在は、他のがん治療法と組み合わせる「複合療法」の研究も盛んに進められており、さらに多くの患者さんに恩恵をもたらすことが期待されている、現代がん治療の柱の一つです。
まとめ:
今回ご紹介した用語はすべて、「医療の主役は患者さんである」という考え方に基づいています。略称の背景にある意味を知ることで、主治医との会話が深まり、より納得感のある治療生活を送るための手助けとなれば幸いです。
最後に:セミナーのご紹介
今回のオンコロ・ワンクエスチョンの選択肢として取り上げた用語に関するセミナーをご紹介します。用語に関する情報について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
▼DCT:分散型治験に関するセミナー
▼SDM:共同意思決定に関するセミナー
▼PRO:患者報告アウトカムに関するセミナー
▼ICI:免疫チェックポイント阻害薬をはじめとする抗がん剤に関するセミナー
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