
オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「がんと診断された直後、『やってよかった』と思うことを教えてください」
結果・解説

がんと告知されたとき、頭が真っ白になり、何から手をつければよいのか分からなくなってしまうのは当然のことです。
今回は、がん患者さんたちががんと診断された直後に「やってよかった」と感じたこと、そして具体的なエピソードをご紹介します。これから治療に向き合うがん患者さんとご家族の方の一助になれば幸いです。
がん患者さん・ご家族の方が診断直後に「やってよかった」こと
今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、がん患者さん・ご家族の方々に「がんと診断された直後、『やってよかった』と思うこと」を教えていただきました。上記のグラフがそのアンケート結果となります。
皆さん、どの選択肢も重要視され、行われていたことが分かります。この結果から見えてくる、診断直後に大切にしたい2つのポイントを下記で解説します。
ポイント1:「仕事」は急いで辞めないで
上位に「制度を調べた(19%)」「職場に相談した(15%)」がランクインしていることからも分かる通り、多くの方が経済面や仕事の調整を重要視しています。
ここで最も重要なのは、「がんと診断されても、急いで仕事を辞めない」ということです。国立がん研究センター「がん情報サービス」でも推奨されている通り、まずは職場の就業規則を確認し、上司や産業医に相談してみてください。高額療養費制度や傷病手当金など、治療生活を支える公的制度を活用することで、経済的な負担を減らせる可能性があります。
ポイント2:我慢せず、医師やケアの力を頼る
「納得いくまで医師の話を聞いた」という行動も、その後の治療への納得感を高めるために重要です。また、これに関連して知っておきたいのが、回答にあった「緩和ケア(3%)」です。
緩和ケアは「末期のためのもの」と勘違いされやすいですが、実は「がんと診断されたときから」受けることができます。痛みや不安、不眠などのつらさを我慢せず、早めに緩和ケアチームや主治医に伝えることが、自分らしい生活を守ることにつながります。
体験談:やってよかったエピソード
最後に、アンケートの自由記述で寄せられた、がん患者さんの具体的な「やってよかったエピソード」を一部ご紹介します。
※本記事は患者さん・ご家族の回答を原文のまま掲載したものであり、個人の体験に基づく内容です。記事中の治療や薬剤、医療機関等を推奨・保証するものではありません。治療法の決定は、必ず主治医による医学的判断に基づき行ってください。
■ 仕事とお金・制度のこと
・すぐに退職せず、職場に相談しました。最初は退職するつもりでしたが、「無理せず出勤できる時に来てくれれば良い」と上司に言われ救われました。職場にも事情を説明して協力してもらい、治療をしっかりと受けることができました。
・職場に相談したところ、まずは治療に専念するよう勧められました。人手不足の職場で悩みましたが、医師からも休むよう言われたこともあり長期休暇へ。治療を始めてみると、やはり仕事を休むことにして良かったと感じています。
・とても職責を果たせる病状ではなかったので、自分は休職する判断をし、直ぐに職責を引き継げるように管理部に相談しました。結果、安心して療養ができました。
・職場の上司に真っ先に相談したことで、治療期間中のことや、休職中の金銭的なシステムなど、自分だけでは考えられないことを支えてもらいました。そのおかげで、私自身は治療に負けない体力をつけることに専念できました。
・仕事の一部整理をしました。
・休職しましたが、手当金が出ることがわかって助かりました。休職中の傷病手当金や高額療養費制度など、経済的な面での足しになり助かりました。
・がん保険の請求をするために、保険の内容をちゃんと見返しました。
・分子標的薬について詳しく調べました。また、傷病手当金や障害年金について調べて申請しました。
・仕事、妻、母など他の役割は周りに依頼し、自分の体をいたわることを優先しました。
・障害厚生年金3級の申請を自分でし、受給できました。53歳で多発性骨髄腫と診断され、54歳で自家移植をしました。維持療法の副作用が酷く、55歳で選択定年しました。そのタイミングで申請。主治医からは『あなたは障害と言うほどの障害はないでしょう』と言われましたが、「こんなに毎週すごい副作用で唸ってるのに障害がないわけない」と食い下がり、3回目で診断書を書いてもらい申請に至りました。
・がん相談支援センターに相談して、産業保健総合支援センターに「治療と仕事の両立支援」の相談をしました。
■ 医師・治療との向き合い方
・病気のことを自分なりに公式サイトや図書館の書籍で調べ、治る病気であると知り安心感を得ました。
・病院でもらった製薬会社作成の治療ガイドの他に、本屋や図書館やネットで最新の治療動向を調べました。病院でもらったガイドが最新の動向だとわかり、安心して治療を受けられました。
・当該がん(肺がん)の診療ガイドラインを調べた後、医師との診察に臨んだことで、提案された治療方針に納得して同意できたと思います。
・納得いくまで主治医や家族、会社関係者とも話しました。話をするのが大事と思いました。ステージ4の肺がんで、発症からイミフィンジとアリムタだけで2年8ヵ月です。諦めないのが一番。
・セカンドオピニオンを利用しました。セカンドオピニオンならず、サードオピニオンまで聞きました。さらには、精神的な面についても助言していただきました。
・ドラマ『ドクターX』で聞いた術式だったので、主治医に「先生はドクターXですか?」と尋ね、「そうです!」とお答えいただき、医師と共に笑顔になり「ではお願いします!」と手術をお願いしました。
・まず「がん相談支援センター」で今後のことを相談しに行きました。
・すぐにセカンドオピニオンを受けました。
・診断結果を聞いたその日に、治療のスケジュールを担当医に確認しました。
・病院選びをしました。
・心理士に相談しました。
・患者支援センターに相談して、医師に聞けないことも聞きました。
・正式に告知される前、医師から可能性があると言われた時点でネットで調べて自分なりに疑問をまとめ、診察のたびに医師に聞いて、冷静に受け止めて治療を受けるようにしました。
・仕事を続けることができるように、治療の方法や時期を医師と相談しました。自分の都合を医師に伝えて、医療機関だけの予定でなく「治療の生活の予定」を立てることができました。
・治験を受けました。
・同じ病気の友人がいたので、話を聞いてもらいました。
・ケアマネジャーが同じがんの先輩で、体調の変化をよくわかっていたので、ショートステイやデイサービス等、介護の段取りが上手でした。
■ 家族・周囲との関わり
・家族としっかり話し合いました。あまりしっかり話し合える精神状態ではなかったので、本当に頼れる家族や親族に甘えて、治療に専念させてもらえたのは本当にありがたかったし、無理をしなくて良かったと思います。
・家族と恋人にきちんと説明して、理解してもらえました。
・子どもに対しても、しっかり伝えました。子どもの学校に話をする時間を作ってもらい、担任の先生と学年主任の先生と3人でお話をしました。がん治療のこと、程度のこと、入院中のことなど、すべて包み隠さず話しました。そのおかげで、入院中に緊急手術をした時など、子どもに寄り添う対応をしていただけて本当に助かりました。
・子どもに連絡したら、翌日にすぐ帰ってきてくれて、子どもの温かみを感じました。
・娘夫婦にすぐに知らせ、食事をしながら夫や家族にどう伝えるかなどを話し合いました。その後、息子に同行してもらって主治医の話を聞きました。
・夫ががんと診断され呆然としましたが、悲しんでいる場合ではないと自分を奮い立たせ、本やネットで治療法や「やったら良いこと」を徹底的に調べました。家族が暗くならないこと、「がんばって」ではなく「大丈夫」という声掛けで前向きになれたと思います。
・主人との楽しいこと(旅行や外食など)をして話し合う時間を作りました。
・手術や抗がん剤治療が必要だと分かったので、夫と同室の寝室ではお互いに疲労したり気を遣うこともあるため、子ども達が巣立ち空いている部屋をリフォームし、私の部屋を作りました。大変だったけど実行して本当に良かった。
・信頼のおける友人・知人に病状や気持ちを隠さずに話した結果、家族以外の方にも気持ちを聞いてもらえたり、外食に誘ってもらって気分転換できたり、たくさん支えてもらえ、穏やかな気持ちで過ごすことができています。
・同じ癌を治療した知人二人に電話して、その治療法についての感想を聞きました。
・がんの経験者の友達を頼りました。
・息子の結婚式を控えていたので、そこまでは(周囲に)内緒にしました。会社にはフルリモートワークを認めてもらいました。
・得意先に話しました。取引がなくなった会社もありましたが、変わらずに取引してくれる会社もあり、「人」がみえました。
・病院の『子どもにがんを伝える』という支援を利用しました。
・SNSに参加したりして情報を調べました。
・患者会に参加しました。
■ 暮らし・マインド・準備
・ひたすら朝日に向かって歩きました。朝の光でセロトニンが出て心に良い作用があるとよく言われているので、散歩に出ていました。心の整理に役立ったような気がしてます。「生きなきゃ」と思いました。
・悲観することも無く、何事も前向きに生活しました。いつも通り暮らしました。
・辛い治療も「いい経験ができた」と考えるようにしました。
・自分ができることとできないことを、はっきりさせました。
・自分優先を第一とし、ストレスを減らし、睡眠を改善してしっかり食べるようにしました。不安になったときはとにかく外に出て歩くことで気持ちを整えていました。
・がんについての本を購入して調べ、5年生存率を前向きに考えました(生存率10%なら、自分はその10%に入ろう、というふうに考えました)。
・院内にある理容院でウィッグを試着し、購入できました。退院後、抗がん剤治療までに1週間もなかったので、入院中に準備が完了できたのは助かりました。
・友人に教えてもらい、無料のウィッグ(夏目雅子ひまわり基金)を使用しました。
・眉毛アートメイクをしました。
・記念写真と証明写真を撮りました。抗がん剤で髪の毛や眉毛・まつ毛が抜けて、顔にシミもできたので、告知直後に撮っておいて良かったです。もしもの時は遺影にも使えそうです。
・治療(手術や放射線治療)後に「やりたいことリスト」を作りました。予定したライブに行くために、治療を考えて医師に伝えました。
・趣味を続けたいという強い気持ちが、治療の励みにもなり頑張れました。復職を目標に辛い治療を頑張れました。
・断捨離とエンディングノートの作成をしました。終活をして身辺整理ができました。
・終活と、親友の友達に病気のことを助言・相談に乗ってもらいました。また、冷静にがんについて調べました。
・洋服や本などを断捨離して、身の回りを整えました。
・温泉、陶板浴を利用しました。
・手術のため、バランスよく栄養を取りながら体重を落としました。
・家族と一緒に温泉へ出掛けたり、家族と一緒にやりたいと思ったことをやりました。
・日記(病気の記録)を書き始めました。
・味覚障害になったので、とにかく食べられる物を食べて体力をつけようと頑張りました。
・診断結果が出てからプレリハビリしつつ、手術日決定の電話待ちをしていました。腎細胞がんという診断が出てからの気持ちの落ち込みにより減量も上手くいった(?)ので、1ヶ月でBMI29超えから24まで落とせて手術を受けられました。
最後に
アンケートの回答の中には、「やってよかった」と思えることが見つからなかった、という切実なお声も寄せられました。がんという病気の現実は、決してきれいごとだけではありません。
■ 正直な気持ち・後悔・その他
・まだ、見つかっていません。長いこと、誰にも言えなかったです。
・ショックと恐怖だけで、何もできなかったことに後悔しています。
・再発しました。今ではやったこと全てが良かったとは思えないです。何もかもやったことが無駄だったと思います。
がんと診断されて、すぐに気持ちを切り替えたり、前向きに行動したりすることは、とても難しいことです。「何もできなかった」「無駄だったかもしれない」と感じてしまうほど、心に大きな衝撃を受けるのは、人間として自然な反応であり、決して心が弱いわけではありません。
もし、ご家族や友人には言えないつらさを抱えたり、ショックで何も手につかないと感じたりした時は、全国の「がん診療連携拠点病院」などにある「がん相談支援センター」を思い出してください。
ここは、制度やお金の話だけでなく、「誰にも言えない不安や、やり場のない気持ち」を吐き出すための場所でもあります。その病院に通院していなくても、無料で相談できることがほとんどです。一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら、ご自身のペースで少しずつ心を休めていきましょう。
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