あなたは医師ですか。
【オンコロメルマガ】自由診療を受ける前に確認しておいてほしいこと[Vol.107]
[公開日] 2019.04.17[最終更新日] 2019.04.17
オンコロの中山です。
オンコロでの患者さん電話対応も、1,000名を突破いたしました。
その対応経験の中で、自由診療についての質問が多くありましたので、
このコラムが何かの役に立てればと思っております。
患者さんのご家族に特に読んでいただきたいコラムです。
【受ける前に確認して欲しいこと】は以下1~5です。
1.費用についての確認
2.投与量の確認
3.副作用が起こった際、しっかりしたフォロー体制があるかの確認
4.国が定める標準治療(最良の治療)が残っていないかの確認
5.治験という選択肢がないかの確認
それでは1つずつ簡単に説明いたします。
1.費用について
・月に数十万の費用がかかることもあります。
・自由診療と病院で行う保険診療を混ぜ合わせる(混合医療)は認められていません。
自由診療を行った場合すべての医療費が自費になる可能性があります。
2.投与量について
基本的に国で効果が証明されている量より、かなり少ない量での治療が専らです。
3.副作用が起こった際のフォロー
フォローはあまりしてもらえません。だからこそ、副作用がおこらない為に投与量を少なくするのかもしれません。
4.標準治療が残っていないか
標準治療は、国が効果を認めた最良の治療です。副作用や効果がしっかりと示されている
治療なので、副作用が起きたときでもその対処やフォロー体制も確立されています。
「効くかもしれない」という自由診療の前に、まずは標準治療を検討頂きたいです。
5.治験という選択肢がないか
自由診療を1度でも受けると、治験に参加できなくなることが多くあります。
正しく新しいお薬の効果が評価できなくなるためです。
現にオンコロにおいても、免疫チェックポイント阻害薬の治験に参加したいと問合せ頂いた患者さんが、ご家族から良かれと思って薦められた自由診療を実施し、その結果治験に参加することができませんでした。
★最後に
「からだにやさしい」、「副作用が少ない」など、患者さんの負担を少しでも軽減するために、良かれと思って患者さんに、このような治療の情報提供することは、時に患者さんを傷つける行為になってしまう可能性があることを、患者さんを支える周りの人が理解することがとても重要だと考えております。
自分も20代の頃、肺がんの祖父の為に色々とインターネットで調べた記憶があります。
今は昔よりインターネットの情報は、莫大に増え、患者さんを支えるご家族は迷われることが多いと思いますが、少しでもこのコラムで迷われることが少なれば幸いです。
今後ともオンコロをよろしくお願いいたします。
中山 裕樹
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