9月28日開催『胃がんキャラバン 2019 Spin Off in 東京
どんな質問にも答えます!第3弾 ~治療中の生活について、
なんでも聞いてみよう編~』セミナーレポート


  • [公開日]2019.10.01
  • [最終更新日]2019.10.01

2019年9月28日、慶応義塾大学医学部 総合医科学研究棟ラウンジにて開催しました、胃がんキャラバンスピンオフ【どんな質問にも答えます 第3弾~抗がん剤と生活編~】は、会場参加者41 名、Facebook視聴1,052回、YouTube視聴877回、希望の会内Zoom配15名視聴)(2019.10.1現在)で、無事、終了いたしました。

今回は、全国キャラバンの質疑応答から、「抗がん剤と生活」をテーマに据えました。

どの会場でも、心身の痛みに関する内容が多く寄せられるので、今回は 川崎市井田病院で腫瘍内科、緩和ケア、在宅ケアとトータルに診療し、地域で暮らしの保健室を立ち上げている、西智弘医師をスペシャルゲストに迎えました。

また、質疑応答に入る後は、食事を補助する食品を開発する『イーエヌ大塚製薬 あいーと』、抗がん剤治療中のレシピを開発、発信する『kama-aid』、口に運びやすく、食べやすいカトラリーの開発に挑戦する『猫舌堂』という3つの企業に参加していただき、解説、実際に試す、相談するという時間も設けました。

今回も事前質問を受け付け、当日会場参加者からの質問と合わせて、先生方より次々と回答していただきましした。前半質疑応答2時間、後半は、体験と並行しての質疑応答継続で、計4時間の長丁場でしたが、会場参加者の真剣なまなざしと、途中退席がほとんどいないことに、セミナーへの期待を強く感じる時間となりました。

浜本先生、押川先生、西先生の質問への対応

大きな不安を感じる抗がん剤の選択、抗がん剤治療の終了に関し、浜本先生、押川先生が、スライドを使用しながら、科学的にもわかりやすく、進めていただきました。

そこに、緩和ケア、在宅ケアにも携わっている西先生が「抗がん剤治療は、あなたにとって、何の目的であるのか」という視点を、常に加えていくことで、患者家族の不安に深く答えることができたと思っています。

西先生が参加されたことで、緩和ケアに関する質問も多く寄せられました。

普段、なかなか主治医に言えない生活上での不安が、いつもより具体的だったと思います。

キャラバンを開催するごとに、患者家族の疑問に答えていくには、個々によって違う『何のために治療をするのか』への理解が、医師と患者家族の間ですれ違わないことが、納得につながるのだと感じています。それには、このように、とことん質問に答える形式が、とても有効であることが、回を重ねるごとに参加者が増え、リピートする方も多いことに示されていると感じています。

1.科学療法と並行して、自分たちが生活の中でできることはないのか
2.抗がん剤の順番、どのタイミングで次の治療に変えるのか
3.自分の受けている治療は最善なのか
4.どうやったら緩和医療を並行して受けられるのか

この4つは、どの回でも共通している質問内容です。

また、『告知』、『積極的治療の終わり』など、厳しい現実を受け入れなくてはならない時、人は大きな不安と絶望を感じます。その時に、主治医のみではなく、緩和ケア医、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど、様々な職種のチームが治療を支えていることが、その人の生きる日々の質をあげると感じています。

今回、西先生が参加してくださったことで、支える立場は複数あるのだということが伝わったように思います。今後は、看護師、薬剤師など、いろいろな分野に携わる方にも参加していただきたいと思いました。

今後に向けて

次回の『どんな質問にも答えます』は11月3日、渋谷キャストにて開催する、厚生労働省、東京都、渋谷区、全国がん患者団体連合会が後援する『がん体験者があの時知りたかったことを発信する』。
グリーンルーペアクション2019の中のセッションとして、2時間開催することとします。

胃がんキャラバンの定例開催としては、10月12日(土)、富山での開催です。

引き続き、患者家族の力につながるよう、取り組んでまいります。

今後の『胃がんキャラバン』のお申し込みはコチラ

文:認定NPO法人希望の会 理事長 轟 浩美(編集;中島 香織)

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