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がんセンターに「ホテル」が建つ意義とは?

[公開日] 2020.06.24[最終更新日] 2020.06.24

オンコロの可知です。 2020年6月22日、国立がん研究センターと三井不動産株式会社は、国立がん研究センター東病院敷地内のホテル開発に着手したと発表しました。 2019年夏、「国立研究開発法人国立がん研究センター東病院連携宿泊施設運営事業」の公募が行われてから1年が経過しようとしていますが、ようやくスタートするということです。 少し間近で事の運びを見ていたものとして、がん研究センター東病院の関係者の皆さんと三井不動産の担当者にエールを送りたいと思うとともに、このスタートしたばかりの事業について少し解説したいと思います。 柏の葉スマートシティ がんの「治療」と「研究」を支える宿泊施設を2022年に開業予定-国立がん研究センター・三井不動産-(2020/6/23)

世界でも稀にみる医療機関敷地内の宿泊施設

本事業ですが、平たく言うと「がんセンター内にホテルができる」ということです。 実は医療機関の敷地内に宿泊施設が建つということは世界的にも稀なことらしく、世界有数のがんセンターであるMDアンダーソンがんセンターにも医療機関敷地内には宿泊施設はないそうです。 このことは、そういったことにチャレンジする『国立がん研究センター東病院』が何を目指しているのかが少しわかってくるかもしれません。 本事業の中心人物の一人である国立がん研究センター東病院副院長の土井俊彦先生から、以下のコメントを頂きました。 「ゲノム医療をしても、実際には、がんセンターなどでしか受けれない先端的な治療は、うけたくても通院の問題で受けれない、ホテルでの宿泊も、病気の場合に安心して泊まれない、ホテルの支援がない、どうしても遠方の患者さんは、治験や臨床研究などでの頻回の受診が現実的には難しい中で隣接型ホテルがあることでアクセスの向上が期待できます。そのために、他業種との連携でホテルの宿泊をどうメリット感を出すか、患者さんの経済的な負担との両立が問題となります。こういった課題を1つずつ解消していきたいと思います」(土井俊彦先生) 2022年に新しい仕組みを有すホテルが開業されることを期待します。

デジタル連携が実現する実診療・臨床試験フィールド

少し話題を変えますが、がんセンターとホテルの関係は以下に示されているように、隣接していることがわかります。 これを見て、どんな時にホテルを利用したいですか? 「遠方からの患者さんが泊まるため」「付き添いの家族が泊まるため」「外国人のメディカルトラベルで利用」と、すぐに思いつくのはこの3つでしょうか。 実際に、がんセンターが来院患者に実施したアンケート(N=639)において34%の方が、こういったホテルができたときは「利用したい」「利用を検討したい」と回答しているようです。(本事業募集要項参照) しかしながら、もう一つ使用シーンが考えられます。 それは「入院させるまでもないけど、何か起きた場合に物理的に近距離で監視したい場合」であり、どういった場合かというと「術後の管理」や「初期段階の治験」が該当するかもしれません。 プレスリリースには以下の文言があります。
本施設も5Gなどといった新たな通信環境の整備も視野に入れ、遠隔診療・在宅医療を目標に宿泊者の健康管理に繋がるセンシングデバイスなどの実証フィールドとして活用し、新たな診療モデルの創出を目指していく。
「5G」「センシングデバイス」を活用し、新たな診療モデルを創出するなんて、ものすごく近未来なことが書いてありますが、これこそ、単に「遠方の患者さんの宿泊」や「付き添いの家族のため」ではないことが物語っているのです。 では、どのようなセンシングデバイスを活用して医療に活用するか?とか、それは医療機器でなくていいの?とか、個人情報はどうなる?とか、様々な疑問を抱きますが、上記で土井先生が仰るように1つずつ解消していく途上といったところでしょう。

医療と街が融合した「柏の葉スマートシティ」

最後に、ホテル構造から少し離れますが、「柏の葉スマートシティ」について触れたいと思います。 プレスリリースには「柏の葉スマートシティ」という文言が出てきます。 リンク:柏の葉スマートシティ 少し乱暴に言いますと、「柏の葉には、国立がん研究センター東病院があり、東京大学柏の葉キャンパスがあり、千葉大学農学部があり、産業技術総合研究所があり、情報学研究所があり、ららぽーとがあり、新興マンション群があり、これらのエリアリソースをデジタルで共有していくためにイノベーションフィールド柏の葉や柏の葉IoTビジネス共創ラボや柏の葉データプラットフォームを創出して、デジタルシティの第一人者となり得るために邁進する構想」といったところでしょうか。 この内容を知れば知るほど壮大さを感じて川崎から引っ越したくなるのですが、最先端の言葉がたくさん出てきますので理解するのは非常に難しい内容ですね。 いずれに、今回の宿泊事業がどのように「柏の葉スマートシティ」に関与してくるかが楽しみです。

第54回OMCEウェブセミナー「がんと超最先端治療」

この記事に関与して告知です。 まさに、この事業の中心人物となる土井俊彦先生が6月26日19時からのオンコロ・ミーツ・キャンサー・エキスパーツに出演します。 テーマは「がんと超最先端治療」となります。 内容が内容だけに収録配信は行わず、ウェビナーのみとなりますので、ご興味ある方はご参加ください。 【第54回 がんと超最先端治療】Zoomウェビナー生配信!ONCOLO Meets Cancer Experts(OMCE)2020 記事;可知 健太
オンコロブログ がん一般

3Hメディソリューション株式会社 執行役員 可知 健太

オンコロジー領域の臨床開発に携わった後、2015年にがん情報サイト「オンコロ」を立ち上げ、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げる。一方で、治験のプロジェクトマネジメント業務、臨床試験支援システム、医療機器プログラム開発、リアルワールドデータネットワーク網の構築等のコンサルテーションに従事。理学修士。

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