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エンタメとコラボで「がんと臨床試験」を考える

[公開日] 2020.02.27[最終更新日] 2020.02.27

2月14日・15日に、東京で開催された日本臨床試験学会第11回学術集会総会の開催日前日13日に、第11回学術集会主催『Remember Girl’s Power !! Spin Out Programトーク&ライブ「統計的確率、奇跡なんて起こらない」ってホントなのか? 』と題したイベントが開催されました。

がん情報サイト「オンコロ」は、東北大学大学院医学系研究科医学統計学分野・モニター情報サイト「生活向上WEB」・認定特定非営利活動法人 西日本がん研究機構との共催として企画・運営に関わり、チューリッヒ生命・エイツーヘルスケア株式会社・富士通エフ・アイ・ピー株式会社の協賛の元、開催されました。

企画の背景には、日本人の2人に1人が、がんに罹患するものの、近年のがんに対する治療法・治療薬の進歩は著しく、これを支えているのが、それらの開発とそれに関わる方々の存在であり、日頃、がんや病気のことを意識しない方々にも、がんや臨床試験のことを知って頂くために、エンタメ(純情のアフィリアさんというアイドルグループ)イベントを通じ、みんなで、考え、感じてもらう事を目的にこのイベントが開催されました。

※今回、このイベントに協力してくれた「純情のアフィリア」さん。メンバーは、上段左からベールさん、アミナさん、カオリさん、アンナさん、下段左からミイミさん、ユミさん、カナさん、クロエさん、セラさんです。

司会・進行は、自身もサバイバー(肉腫の体験者)で、毎年9月に開催する小児がん・AYA世代・臨床試験啓発チャリティーライブ「Remember Girl’s Power !!」の制作にも関わるがん情報サイト「オンコロ」の鳥井 大吾が担当しました。

※自身もAYA世代(15歳~39歳)に肉腫を体験したサバイバーの鳥井大吾。

がん情報サイト「 オンコロ」presents Remember Girl's Power の制作にも関わっています。

当日のプログラムは、以下の通りです。

■Opening Remarks: 「開催趣旨説明」山口 拓洋(東北大学大学院医学系研究科 医学統計学分野 教授)

■トークショー: 「統計的確率、奇跡なんて起こらない」ってホントなの? 純情のアフィリア メンバー・中川 和彦・山口 拓洋

■ライブ:純情のアフィリア

■レクチャー: 「臨床試験の意味と意義」中川 和彦(特定非営利活動法人 近畿がん診療推進ネットワーク 理事長/近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授)

■「患者にとっての臨床試験: それだけが生きる意味なのか?」清水 公一:肺がん患者 NPO法人ワンステップ

■Closing Remarks「閉会挨拶」: 日本臨床試験学会 第11回学術集会総会 in 東京 会長:樽野 弘之(第一三共株式会社)・吉田 浩輔(株式会社リニカル)

Opening Remarksでは、この学会の理事である山口先生から、このイベントの企画背景、開催趣旨と意義についてお話し頂き、なぜエンタメのコラボか?なぜ純情のアフィリアか?といったことなどが紹介されました。

ちなみに「統計的確率、奇跡なんて起こらない」というイベントタイトルは、彼女たちの楽曲から引用されました。

※このイベントの実現のために、その趣旨と意義については、純情のアフィリアのマネジメントへの説明、また実際に何度もライブ会場に足を運んだ山口先生。

トークショーは、純情のアフィリアのメンバー9名へのクイズ形式として、YES or NOで回答頂き、山口先生、中川先生からその解説を加え、進行しました。

日頃、がんや臨床試験といった言葉に触れることがない純情のアフィリアのメンバー、ファンの皆さんには勉強になったと多くのコメントも頂きました。

ちなみにトークセッションでの質問は、以下の通りです。皆さんはお分かりになりますか?

Q1:日本で死亡要因第一位は「がん」である。YES or NO Q2:乳がん検診は20代から受けるべきである。YES or NO Q3:がんになる原因のトップは、遺伝である。YES or NO Q4:がんは食事で治せる。YES or NO Q5:新薬の開発(臨床試験)において奇跡なんて起こらない?YES or NO ※解説には、スーツは着ておられるものの日頃見せない笑顔で、純情のアフィリアのグッズを身に着けた山口先生と中川先生が、メンバー、ファンの喝采を浴びながら進められました。

トークショーに引き続き、ファンの方々が楽しみにしていた「純情のアフィリア」さんのライブ。

30分以上にわたり熱のこもったライブが繰り広げられました。

※カオリさん ※ベールさん ※アンナさん ※クロエさん ※ユミさん ※アミナさん ※セラさん ※ミイミさん ※カナさん

ライブの興奮も冷めやらぬ中、続いてのレクチャーセッションで登壇したのは、中川 和彦先生(特定非営利活動法人 近畿がん診療推進ネットワーク 理事長/近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授)。

テーマは、「臨床試験の意味と意義」。

先程のトークショーと打って変わって、真剣なまなざしで、新しい治療法・治療薬を開発していくことが、いかに大事か、そしてどれだけ患者さんにとって重要なことかを熱弁されました。

※ナイチンゲールなどを例に、医療開発を進める上で、科学的に考えることがいかに大事かなど、臨床試験の意味と意義について講演されました。

そして、最後にAYA世代(15歳~39歳)に肺がんと診断され、闘病された清水 公一さん(肺がん患者 NPO法人ワンステップ)が登壇されご自身の体験をお話しされました。

清水さんが35歳の時、ステージ4の肺がんの5年生存率はわずか4.2%。

「家族を残して死ねない」「でも、明るい未来を描けない」状況であったそうです。

しかし、そんな折、朗報が飛び込みます。本庶 佑先生(京都大学)がノーベル賞を受賞した免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボが使用可能(保険償還)となったそうです。

現在は、同薬が奏効し、寛解状態を続けており、精子保存からの新たな命(二人目のお子さん)も授かりました。清水さん自身、この体験を経て、様々ながんの治療法・治療薬の開発には、臨床試験(治験)が希望になると強く思ったそうです。

もう一つ闘病の支えになったものがあったそうです。

それは、闘病を始めてからの乃木坂46との出会いだったそうです(この段で、会場で大きく頷く参加者、ヲタクの皆さんがおられました)。

闘病中、偶然にみた乃木坂46「君の名は希望」、そして「悲しみの忘れ方」「きっかけ」、それらの曲の歌詞に励まされ、メンバーの頑張りを自分に投影し、現実を見て自分が残された後のことを考える一方、希望を持っていきたい!悔いのない人生を送りたい、乃木坂46のライブに行きたいと思ったそうです。

そして、2017年11月8日東京ドームで開催された乃木坂46のライブへの参加の夢が叶いました。

闘病で頑張ってきた自分、自分に希望を与えてくれた乃木坂46、いろいろな思いが錯綜し、涙が止まらなかったそうです。

※現在、清水さんの所属する患者会では、日本で初めて患者さん発案の臨床試験(医師主導治験)の実現に向けて活動しています。

最後に、イベント翌日から開催される日本臨床試験学会 第11回学術集会総会 in 東京の会長:樽野 弘之さん(第一三共株式会社)・吉田 浩輔さん(株式会社リニカル)から閉会の挨拶でこのイベントの終演となりました。

※第一三共株式会社 樽野 弘之さん ※株式会社リニカル 吉田 浩輔さん ※2月14日・15日に東京で開催された日本臨床試験学会 第11回学術集会総会 in 東京は無事盛況のうちに終了されたようです。

そして最後に、このイベントのタイトル『「統計的確率、奇跡なんて起こらない」ってホントなのか? 』

答えは「NO」。お薬の候補物質が、実際に患者さんに届くまで、その成功確率は、0.0034%。

もう、ほとんど奇跡とも言える確率。多くの患者さん、ご家族が新しい治療法・治療薬の登場を待ち望み、そして多くの医療者がこの領域で尽力されています。

<参考1:がん情報サイト「オンコロ」の取り組み> がん情報サイト「オンコロ」では、一般の方々にもがん(特に、小児がん・AYA世代のがん)や臨床試験のことを知って頂くために、エンタメとのコラボ、チャリティーイベント(Remember Girl’s Power!!)を開催してきています。

海外ではさかんなこんなイベントですが、ようやく日本でも認識されるようになってきました。

がん情報サイト「オンコロ」では、今後も、がん医療において希望が持て、少しでも社会に貢献できるプロジェクトに関与できるよう、このような取り組みを続けてまいります。

<参考2:純情のアフィリア> 萌え業界の2大メーカー、志倉千代丸と桃井はるこのダブルプロデュース。

カフェやレストランなど全国アフィリア店舗にて「会えるアイドル」として2009年3月にCDデビュー。オリコンweeklyシングルチャートでは11thと14thで4位、12thで3位を記録するなど、コンスタントにリリースと実績を重ねる。

2017 年6 月「アフィリア・サーガ」から改名し、新メンバー加入など大改革を発表。

7月より放送開始のTVアニメ「はじめてのギャル」のオープニングテーマ、TVアニメ「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」のエンディングテーマ「起・承・転・結・序・破・急」も担当。毎週シングルのリリースイベントを各地で開催のほか、単独定期公演も開催中。

今回、コラボの理由になった楽曲があります。よろしければ歌詞と共にご覧下さい。

「この世界に魔法なんてないよ」 「それだけが、生きる意味なんだ」

また、2020年3月11日には、5th シングル Like? or Love?/究極アンバランス!が発売されます。

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コンテンツマネージャー 柳澤 昭浩

18年間の外資系製薬会社勤務後、2007年1月より10期10年間に渡りNPO法人キャンサーネットジャパン理事(事務局長は8期)を務める。先入観にとらわれない科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携するため、がん情報サイト「オンコロ」のコンテンツ・マネージャー、日本肺癌学会チーフ・マーケティング・アドバイザー、3Hクリニカルトライアル株式会社、3Hメディソリューション株式会社のマーケティングアドバイザー、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員などを務める。

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