歌舞伎俳優 市川海老蔵さんの妻でフリーアナウンサーの小林麻央さんが、進行性がんを患っているとの報道を受け、海老蔵さんが開いた記者会見の6月から記憶に新しい。
そのニュースは同じ女性として、同じ乳がん罹患者として、大きな衝撃を受けた。

海老蔵さんの「深刻だという言葉でひとつ、ご理解していただければ」の言葉から、症状は厳しいものではないか、という憶測が私たちサバイバーの間でも話にあがった。

その後、私たちの思いもよらない勇気ある決断を麻央さんは実行に移される。
9月1日、麻央さんはオフィシャルブログ「KOKORO.」を立ち上げた。第1回目のブログのタイトルは「なりたい自分になる」。自らの言葉で、ご自身について語り始めた。

小林麻央オフィシャルブログ「KOKORO.」Powered by Ameba

先生に言葉をかけられた「癌の影に隠れないで」は、乳がんであることが突然公になり、目まぐるしく変化する環境の中で、心や生活をさらに小さく狭いものにされていたご自分を解き放つきっかけとなった。

大きな病気になると、人は卑屈になりがちで、その治療の副作用から消極的な生活を送るケースが多い。私自身、乳がんに罹患したことは一部の同僚や限定した友人しか告白することができなかった。罹患直後は、悪いことは何もしていないのに、心の動揺から自分自身を責めがちに陥る。そう、ほとんどの人は「癌の影に隠れて」いるのではないか。

幸せで順風満帆な人生を送られていると映っていた麻央さんが、ある日突然に乳がんに罹患され一変してしまった生活を、公に発信することは大きな勇気と決断があったに違いない。今現在に至るまでには想像を絶する葛藤と戦っていらっしゃっていたであろうことを思うと非常に胸が痛むが、ブログを通じて麻央さんの「覚悟」というものを強く感じ取れる。

一人の妻として、母としての「生きる」「病と闘う」強い気持ちが、連日更新される文面から感じられるのは、私だけではないと思う。

9月20日のブログでは、リンパ節や肺、骨などへの転移を綴られた。「一度きりの人生なので、なりたい自分になろうと決意できた」気持ちからもう一段階高い意識をお持ちになられたように感じることができた。

がんの治療は、生易しいものではない。「毒を持って毒を制す」のごとく、治すための治療をしているのか、副作用に苦しめられているのか、わからなくなってしまう過程を踏むことになる。

強いご自身の信念のもと、ご家族の愛に支えられながら、前向きに治療に専念される麻央さんを、今後とも引き続きブログを通じて見守っていきたい。


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