• 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • ニュース
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

ある歌が私たちを変えました

[公開日] 2018.04.24[最終更新日] 2018.04.24

(文:オンコロ責任者 可知 健太)

2018年4月22日(日)KANAKOさんというアーティストのソロデビュー5周年記念、そして最後のライブが開かれた。 KANAKOさんはSHAKEというダンスボーカルユニットを経て、ソロとして活動。 JUDY AND MARYの恩田快人氏(サムネイル左のベーシスト)が代表を務めるワーロック所属の女性シンガーだ。そして、彼女は2017年9月9日に開催したRemember Girls Power VOL.2に出演したアーティストの一人だ。 去年の夏、私たちがん情報サイト「オンコロ」が主催したチャリティーライブ「Remember Girls Power」に彼女の出演を決めた時のことを思い出す。 当時、既に全ての出演アーティストが決まっていたが、彼女のお母さんからオンコロに連絡があった。 「私の娘をRemember Girls Powerに出演させてもらえないか?」という内容だった。 主催する側になってわかるが、この手の連絡は稀ではない。 でも、内容が気にかかった。 「彼女の父は小細胞肺がんで闘病中である。そして、父のために歌った曲がある」というものだった。 それを聞いた瞬間、(私は冷静沈着なタイプであるが)何かこみあげてくるものがあった。 「僕の心臓がね。止まる頃にはね・・・」から始まるその曲は「心拍数#0822」という曲だった。 この曲は、蝶々Pというプロデューサーが初音ミク(ボーカロイド)を使用して作成した恋愛ソングをカバーしたものである。 ただ、彼女の歌うその曲は恋愛ソングではない。父を想う曲である。。。 彼女の父は彼女のライブ直前に小細胞肺がんと診断された。小細胞肺がんは進行早く治療法も乏しい肺がんの中でも最も過酷ながんである。 ライブの娘を心配させないため、父は病気のことをつたえなかった。そんな娘の父母への想いを歌ったその曲。 そして、私たちは、彼女の父が抗体薬物複合体(ADC)という新しいカテゴリーの治験薬を使用して加療を続けていることを知った。 いろいろ調整し、なんとかKANAKOさんの出演を決めたのが当時の話。 心拍数#0822 (Acoustic Ver.) そんな彼女は引退を決意した。 「昨日まで、家族と一緒にいましたが、両親は来れませんでした」。ラストライブ。勿論、彼女のご両親も駆けつける予定であったが、駆けつけられない事情は察してほしい。 そして、去年の9月以来久しぶりに聞いた彼女の「心拍数#0822」。 彼女自身が「音楽の力のすごさを教えてくれた曲」といった、そして、涙で歌えなくなりそうなところを必死でこらえながら歌ったこの曲は、みなぎる何かを与えてくれたと思う。 満員のライブハウスで彼女は「何かを始めるということは本当に大変なこと、そしてとても勇気がいること」と語る。そして「何かを辞めることも勇気がいること」と続けた。 私たちは、何かを始めることの大変さを経験してきた。そして、それを続ける難しさを実感しながら、それでも続ける義務があると感じる。 この日は、がん情報サイト「オンコロ」の今後に影響があるような日だった。 さて、うまくまとまり切ったような切っていないような感じであるが、彼女が目指そうとしたものと我々が目指すものは少し似ていると思う。 我々はこういった体験をもとに今までの展開を大切にし、新たな展開を考えていきたい。 最後に、彼女は引退してしまうけれども、彼女が歌った「心拍数#0822」を、がんに関係するすべての人に聞いていただきたいとあらためて思います。 是非、一度聞いてみて下さい。 Photo collection(提供:株式会社ワーロック) KANAKO OFFCIAL WEB SITE
オンコロブログ スタッフオススメ

3Hメディソリューション株式会社 執行役員 可知 健太

オンコロジー領域の臨床開発に携わった後、2015年にがん情報サイト「オンコロ」を立ち上げ、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げる。一方で、治験のプロジェクトマネジメント業務、臨床試験支援システム、医療機器プログラム開発、リアルワールドデータネットワーク網の構築等のコンサルテーションに従事。理学修士。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る