[公開日] 2018.02.08[最終更新日] 2018.02.08
コラム
オンコロの可知です。
土曜日からB型インフルエンザにかかってしまい、今週、記事がろくに更新ができておらず申し訳ございません。
脆弱な編集体制に嘆く限りです。。。
さて、最近、「がん光免疫療法」についての問い合わせが多いです。
去年の4月の米国頭頸部学会の結果を数社が(今更ながら、かなりの情報を割愛して)報道しましたし、 国立がん研究センター東病院で頭頸部がん対象で治験開始されると報道があった影響があると思います。
一方、オンコロには一度も記事を書いたことはありません。
理由は、よくわからないものを情報提供したくなかったからです。
どことなく局所療法としての色合いが強く、 また、免疫療法ではなく物理化学的な色合いが強く、
アスピリアン・セラピューティック社のサイトからは学会発表についても詳細に書いておらず、
臨床試験結果は論文化されていないため情報がほぼなく、
どの先生に聞いてもよくわからない回答だったためです。
ただ、先週、「国立がん研究センター東病院の治験体制(仮)」という取材に行ったときに、
吉野孝之先生(消化管内科長兼、治験管理室長)に東病院で実査される「がん光免疫療法」の治験について聞きました。
吉野先生からは「色々と期待されているみたいだけど、まずは(自分たちで)実施してみてから」
「頭頸部がん対象の治験がもうすぐ始まり、夏までに食道がん対象の治験が始まる」という回答があり、 治験関係スタッフに配っているという「がん光免疫療法の登場(永山悦子氏著・小林久隆先生協力)」をもらいました。 https://goo.gl/j1iGw8
それで、今日、(インフルエンザで横なっているだけなので)この書籍を読んでみました。 個人的に感じたことは、
概説としては一番わかりやすかった一方、
・一番知りたかった近赤外線がどのように腫瘍部に届かせるか?
・先の米国での治験結果では遠隔転移のある頭頸部がん患者が存在したのか否か? (存在しなさそうではあるが・・・転移性患者に期待できる結果がでているかが一番大切と考えているが、どのソースからもわからない)
といった点がよくわからず。。。まだまだ、調査が続きます。
(本当は小林先生に取材申し込みすればいいとは思いますが、自分で調べるだけ調べてみてからと考えています。)
ただ、免疫チェックポイント阻害薬だってだれも見向きしなかったし、
臨床試験ベースにのったということは、期待できるものなのかもしれません。
ちゃんと記事にできるかは約束できませんが、取材は続きます。
可知 健太 オンコロブログ