ペムブロリズマブ(胃がん)、ASP2215(急性骨髄性白血病)が先駆け審査に指定


  • [公開日]2015.10.28
  • [最終更新日]2017.11.13[タグの追加] 2017/11/13

■この記事のポイント

・厚生労働省が、初めてとなる「先駆け審査指定制度」の対象として6品目を指定したことを発表。

・先駆け指定制度の対象として指定されると、通常、12カ月かかる審査期間が6カ月に短縮。

・がん分野は、急性白血病指定としてFLT3/AXL阻害剤ASP2215、胃がん適応として免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペンブロリズマブ(キートルーダ)を指定。


 10月27日、厚生労働省が「先駆け審査指定制度」の対象として6品目を指定したと発表しました。オンコロジー分野としては、「初回再発または治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病」としてFLT3/AXL阻害剤ASP2215および、「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」として免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペンブロリズマブ(米国商品名キイトルーダ/キートルーダ)が指定されています。

 先駆け審査指定とは、今回初めて導入された制度であり、対象疾患の重篤性など、一定の要件を満たす画期的な新薬などについて、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取扱いをすることで、承認審査の期間を短縮することを目的とした制度です。この制度の対象となった薬剤は、通常12カ月程度承認審査に要しているところ6カ月に短縮することが可能となります。

 今回、指定申請が行われた50品目の医薬品について評価を行っており、オンコロジー領域の薬剤が多く申請されたが、開発の進捗状況などを参考に相対的に2品目を選んだとのことです。

 胃がん分野では、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブオプジーボ)を差し置いて、同じ作用機序のペンブロリズマブが選ばれた形となっています。

 なお、その他、「結節性硬化症に伴う血管線維腫」としてシロリムス(ラパリムス)、「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)」として、NS-065/NCNP-01、「A型またはB型インフルエンザウイルス感染症」としてS-033188B、「遺伝性血管浮腫(HAE)の患者を対象とした血管性浮腫の発作の管理」としてCX7353が指定されています。

参考:「先駆け審査指定制度」の対象品目を初めて指定しました(厚生労働省)

【ASP2215の急性骨髄性白血病を対象とした試験情報(Clinicl trials.gov;英語)】
A Study of ASP2215 in Combination With Induction and Consolidation Chemotherapy in Japanese Patients With Newly Diagnosed Acute Myeloid Leukemia
Dose Escalation Study to Investigate the Safety, Tolerability and Pharmacokinetics of ASP2215 in Japanese Patients With Relapsed or Refractory Acute Myeloid Leukemia

【ペンブロリズマブの胃がん対象の試験情報】
再発又は転移性の胃腺癌又は食道胃接合部腺癌の患者を対象としたMK-3475の単独療法とシスプラチンと5-フルオロウラシルとの併用療法の第II相試験(KEYNOTE-059)(オンコロ内)
プラチナ製剤及びフッ化ピリミジン系製剤による1次化学療法を受け疾患進行が認められた進行性胃腺癌又は食道胃接合部腺癌の患者を対象としたMK-3475とパクリタキセルを比較する非盲検無作為化第III相試験(KEYNOTE-061)(JAPIC-CTI)

記事:可知 健太

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