悪性リンパ腫の治療法
悪性リンパ腫の標準治療は薬物療法と放射線療法が中心で、適切な病理診断と悪性度、病期分類(ステージ)に基づき、全身状態を考慮して治療方針を決定します。
日本で多い非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療は、一般的に低・中・高悪性度別に決められており、ホジキンリンパ腫(HL)では限局期、進行期により治療が異なります。NHL、HLのいずれにおいても放射線療法を選択するかどうかは、病期がI期からII期で、巨大腫瘤や離れている複数病変がなく、1照射野内に入る局所病変の治療に限られます。
病期がIII期からIV期で病変が離れている、あるいは進行性に広がっている場合には、微細な病変にも行き渡る化学療法薬や分子標的薬による全身薬物療法で治療します。
悪性リンパ腫の薬物療法は、病型により複数の種類の抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法が主流で、3週間から4週間を1コースとして数コースを実施します。細胞障害性の抗がん剤を複数組み合わせる併用化学療法と、リツキシマブなど特定分子に結合する分子標的薬を追加する場合があります。
B細胞由来のリンパ腫細胞に発現するCD20を認識する抗体医薬リツキシマブ(商品名リツキサン)は、CD20の発現陽性を確認した上で治療組入れを決定します。
化学療法の副作用は、一般的に骨髄抑制による血球減少、発熱、吐き気・嘔吐、下痢、脱毛などです。分子標的薬リツキシマブの副作用は、静注直後のアレルギー反応などに加え、肺障害、心障害にも注意を要します。
参考:日本血液学会造血器腫瘍診療ガイドライン、日本癌治療学会がん診療ガイドライン、国立がん研究センターがん情報サービス、国立がん研究センター希少がんセンター、日本造血細胞移植学会ガイドライン
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