切除可能局所進行胃がんに対する手術および術後化学療法への術前化学療法の追加、長期追跡後も生存期間を有意に改善Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2024.09.02
  • [最終更新日]2024.08.28
この記事の3つのポイント
・切除可能局所進行胃がんを対象とした第3相のPRODIGY試験
・術前療法としてのドセタキセルオキサリプラチン+S-1、および術後療法としてのS-1の有効性安全性を検討
・術後S-1のみと比較して。長期追跡後も生存期間を有意に改善

2024年7月12日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、切除可能局所進行胃がんに対する術前療法としてのドセタキセル+オキサリプラチン+S-1、および術後療法としてのS-1の有効性、安全性を比較検証した第3相のPRODIGY試験の結果がUniversity of Ulsan College of MedicineのYoon-Koo Kang氏らにより公表された。

PRODIGY試験は、切除可能局所進行胃がん(T2-3N+もしくはT4)患者に対する術前療法としてドセタキセル+オキサリプラチン+S-1併用療法を実施し、術後療法としてのS-1を投与する群、もしくは術後療法としてS-1単剤を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)を比較検証した第3相試験である。

本試験の追跡期間中央値99.5ヶ月時点における長期追跡の結果、副次評価項目であるOSは、術後S-1のみと比べて術前ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1併用療法の追加により、死亡のリスクが28%減少(HR:0.72,P=0.027)した。8年全生存率は、術後S-1のみの55.1%に対して、術前ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1併用療法を追加した群では63.0%を示した。主要評価項目であるPFSは、術後S-1のみに比べて術前ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1併用療法の追加により、病勢進行または死亡リスクが30%減少(HR:0.70,P=0.016)した。

以上の結果を受けて、Yoon-Koo Kang氏は、「切除可能局所進行胃がんに対する術前ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1は、周術期における標準治療のオプションとして検討されるべきです」と結論付けた。

参照元:
Neoadjuvant Docetaxel, Oxaliplatin, and S-1 Plus Surgery and Adjuvant S-1 for Resectable Advanced Gastric Cancer: Updated Overall Survival Outcomes From Phase III PRODIGY(Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.23.02167 2024)

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