リンパ腫治療薬ジャイパーカ等、新規の抗がん剤が承認へ厚生労働省の新薬承認情報より


  • [公開日]2024.06.25
  • [最終更新日]2024.07.23

厚生労働省は6月24日、新薬等を承認を発表、うち抗がん剤関連が6剤含まれていた。

ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(ピルトブルチニブ)

申請企業:イーライリリー

効能・効果:
他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫

リンパ腫細胞の表面にあるB細胞受容体からのシグナルは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介して細胞内に伝えられる。
BTKを阻害する既存の薬剤イムブルビカ(イブルチニブ)は、BTKの特定の位置に非可逆的に結合するため、BTKの耐性変異の影響を受けやすい。一方のジャイパーカは、耐性変異の有無に関わらずBTKを可逆的に阻害することが可能である。

ハイイータン錠 50mg(グマロンチニブ水和物)

申請企業:海和製薬

効能・効果:
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん

ハイイータンは、細胞の増殖に関わる間葉上皮転換因子(MET)の働きを阻害する薬剤。2024年2月に中国で承認を得た薬剤であるが、今後日本においては、大鵬薬品が情報提供活動及び販売を行う予定だ。
なお同種の薬剤に、メルクバイオファーマ社のテプミトコ(一般名:テポチニブ)やノバルティスファーマ社のタブレクタ(一般名:カプマチニブ)がある。

タルグレチンカプセル75mg(ベキサロテン)

申請企業:ミノファーゲン製薬

効能・効果:
皮膚病変を有する成人T細胞白血病リンパ腫

タルグレチンは、細胞の増殖に関わるレチノイドX受容体に結合することで、アポトーシスの誘導や細胞周期の停止を誘発することで、がんの増殖を抑制すると考えられている。
今回は、2016年の「皮膚T細胞性リンパ腫」に対する承認に続く適用拡大となった。

レットヴィモカプセル40mg、同カプセル80mg(セルペルカチニブ)

申請企業:イーライリリー

効能・効果:
RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍

レットヴィモは、細胞増殖を活性化する異常なRET融合タンパクの阻害剤であり、これまでは肺がんと甲状腺がんにおいてのみ承認されていた。
今回の臓器横断的な承認により、肺がんと甲状腺がんだけでなく、すべての固形がんで使用可能となった。

エザルミア錠50mg、同錠100mg(バレメトスタットトシル酸塩)

申請企業:第一三共

効能・効果:
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫

ヒストンのメチル化は、がん抑制遺伝子や分化関連遺伝子の発現を抑制することで、がんの進展に関与する。
エザルミアは、ヒストンのメチル化活性を持つEZH1/2を阻害することで、がんの増殖を抑制すると考えられている。
今回は、2022年の「再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫」に対する承認に続く適用拡大となった。

パラプラチン注射液50mg、同注射液150mg、同注射液450mg(カルボプラチン)

申請企業:クリニジェン

効能・効果:
子宮体がん

がん細胞のDNA合成および細胞分裂を阻害するプラチナ系の抗がん剤のひとつ。
子宮体がんへの適用拡大においては、用法・用量は「他の抗悪性腫瘍薬との併用において、通常、成人には1日1回AUC5~6mg・min/mL相当量を投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、年齢、疾患、症状により適宜増減する」となっている。

参照元:
厚生労働省 新医薬品として承認された医薬品について

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