乳がん治療薬イブランス、新剤型として錠剤発売~食事に関係なく投与可能~


  • [公開日]2020.07.31
  • [最終更新日]2020.07.30

7月28日、ファイザー株式会社は抗悪性腫瘍剤であるイブランス(一般名:パルボシクリブ 以下イブランス)に新規剤型として「イブランス錠25mg」「イブランス錠125mg」の販売を開始したことを発表した。

イブランスはCDK(サイクリン依存性キナーゼ)4/6を阻害する経口の分子標的薬である。CDK4/6は、細胞周期の調整に関与し、細胞増殖を引き起こす。そのためCDK4/6を選択的に阻害することで、細胞周期の進行を停止させ、腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられている。日本においては、ホルモン受容体陽性かつヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性の手術不能または再発乳がんを適応に2017年12月よりカプセル剤が販売されている。

イブランス錠は、カプセル剤と生物学的同等性が示され、食事に関係なく投与可能であることが確認された。また、カプセル剤に対して外形サイズが小さくなったため服用のしやすさが期待される。そして、より錠数の少ない包装へ変更したため、在庫管理がしやすくなると考えられている。

取締役執行役員オンコロジー部門長の小芦氏は「イブランス錠を上市できたことを嬉しく思います。イブランスによる治療を必要とする患者さんに、利便性の点からもさらに貢献できればと考えております。グローバルにおいて2015年の発売以来、豊富なエビデンスに裏打ちされるイブランスに関し、適正使用の推進により一層まい進してまいります。」と述べている。

イブランスについて
細胞周期の調節に重要な役割を果たし、細胞増殖を引き起こすCDK4/6を阻害する経口分子標的薬。イブランスはCDK4/6を選択的に阻害して、細胞周期の進行を停止させることにより、腫瘍の増殖を抑制する。
米国では、閉経後女性または男性を対象としたホルモン受容体陽性HER2陰性の進行・転移乳がんに対して、初回内分泌療法としてアロマターゼ阻害剤との併用療法また、閉経前または閉経後女性を対象とした、内分泌療法で疾患進行を認めたHR陽性 HER2 陰性の進行・転移乳がんに対して、フルベストラントとの併用療法の適応で承認を得ている。世界95カ国以上で承認され、30万人を超える患者さんに処方されている。

参照元:
ファイザー株式会社 プレスリリース

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